楽天ドラ2・安田　初安打がチーム1号3ラン!「東北のゴジラ」改め「東北のゴリラ」が目覚めた

オープン戦   楽天5ー0ヤクルト （ 2022年3月8日    静岡 ）

＜楽・ヤ＞4回2死一、二塁、3ランを放った安田はテレビカメラに向かってゴリラポーズ（撮影・村上　大輔）
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　待望の一発が飛び出した。楽天のドラフト2位ルーキーの安田悠馬捕手（22＝愛知大）が8日、ヤクルト戦の4回に右越え3ラン。オープン戦12打席目での初安打は、チームのオープン戦1号にもなる特大弾だった。2回の左犠飛と合わせて4打点の大活躍。背番号55の「東北のゴジラ」にとって、開幕1軍入りを大きく引き寄せる大きな一打となった。

　角度、飛距離ともに文句なし。5試合目、12打席目で「東北のゴジラ」のバットから飛び出したオープン戦初安打は特大3ランとなった。「やっと出たな、という感じ。手応えは完璧でした」。ベンチ前では両拳で胸を激しく叩く「ゴリラポーズ」を披露して喜びを爆発させた。

　4回2死一、二塁。打席に入る前、石井監督から“指令”が飛んだ。「しっかり巻き込んで、思い切りライトスタンドにぶち込んでこい！」。カウント2―2から、内寄りの甘い141キロを狙い澄ましてフルスイングした。「結果が出なくても使ってもらっているので恩返しをしたい」との思いが込められた打球は右翼席への特大アーチとなった。

　ここまでオープン戦4試合で無安打。2月の練習試合では長打が出たが、オープン戦になると快音が途切れた。原因はプロの攻め。4日の阪神戦は厳しい内角攻めで3打数無安打。翌5日の同戦は、追い込まれてから変化球にバットが当たらず3打席連続で空振り三振を喫した。「インコースが多いなと思った。（上体が）前にいきながら振っていた。当てにいってミートポイントが小さくなってしまった」。精神的な焦りもあり、本来のスイングを見失っていた。

　「打席で小さくなって、押し込みが弱くなっていた。右方向にホームランを狙うことで、修正できるんじゃないかと思った」と指揮官。フルスイングで本塁打を狙わせることで、持ち味の豪快なスイングを取り戻させようとした。本塁打の直前。初球の内角低めのフォークを悠然と見逃した。指揮官は本塁打よりもこの1球を「ちゃんと見逃せたのは打撃センスの良さを感じる」と高く評価。先発・田中将の4回無安打投球を引き出す捕手としての仕事も果たした。

　静岡で今季初のホームゲーム。打席では登場曲「Mickey」が流れた。自身の携帯の音楽アプリに登録していた約600曲のプレーリストから、ランダム再生の“ガラポン”で決めた勝負曲。お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリ扮する「ゴリエ」のテーマ曲から、ゴリラポーズを披露した。「長打が売りなので、打ち続けていきたい」。アピール次第では、球団史上初の新人捕手開幕スタメンだって夢じゃない。（重光　晋太郎）

　≪新人がOP戦チーム1号は初≫新人捕手の安田（楽）がオープン戦でチーム1号となる3ラン。楽天新人のオープン戦本塁打は、16年茂木（2本）、19年辰己、20年小深田（各1本）に次ぎ4人目で、チーム1号を打ったのは安田が初。

　≪球団新人捕手初の開幕戦デビューなるか≫楽天新人捕手の開幕1軍入りは06年河田寿司（三菱重工長崎）と07年嶋（国学院大＝現ヤ）だけで、ともに開幕戦は出場せず。安田が開幕ベンチ入りを果たすと15年ぶり3人目。開幕戦でデビューなら球団新人捕手では初となるがどうか。

　【安田　悠馬（やすだ・ゆうま）】
　☆生まれ＆球歴　2000年（平12）3月3日生まれ、神戸市出身の22歳。妙法寺少年野球―横尾中―須磨翔風高―愛知大。高校時代に甲子園出場なし。愛知大では1年春から指名打者でリーグ戦に出場し、3年春から捕手兼任。右投げ左打ち。
　☆憧れの選手　小学生時代はオリックスのタフィ・ローズ。最近はソフトバンク・柳田、オリックス・吉田正。
　☆サイズ　1メートル85、105キロ、足は30センチ、胸囲は105センチ。
　☆ニックネーム　「ゴジラ」。高校時代から松井秀喜氏に似ていると言われ始め「言われてから、だんだんと似てきたのかもしれない…」。
　☆趣味　散髪、筋トレ、ファッション、日光浴。
　☆特技　じゃんけんに勝つこと。
　☆好きな漫画「スラムダンク」、「北斗の拳」。
　☆好きな食べ物　肉（軟らかいレバー）、寿司（ウニ、ブリ）。
　☆理想の女性　菜々緒、橋本環奈。