トヨタ自動車東日本の新監督 夏井大吉が挑む日本一への道

[ 2022年3月9日 07:30 ]

トヨタ自動車東日本の監督に就任した夏井大吉氏
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 今年からトヨタ自動車東日本の監督に就任した夏井大吉氏は、就任あいさつの場でナインを集め、こう言った。

 「東北で一番弱いのは、うちのチーム。まずはそれを自覚してくれ」

 チームを引っ張る役割は、高校時代から。花巻東(岩手)3年時には主将を務め、夏の甲子園に出場した。初戦の2回戦で樟南(鹿児島)に4―13で大敗したが、佐々木洋監督は「私が監督になって、初めて甲子園に連れていってくれた代の素晴らしいキャプテン。夏井大吉がいたから、雄星、翔平が後に続くことができた」と回想する。

 富士大でも主将を務め、4年時には全日本大学野球選手権でチームを準優勝に導いた。

 卒業後は室蘭シャークスでプレー。19年からトヨタ自動車東日本でコーチ兼選手、ヘッドコーチを務めた。夏井監督は「高校時代に、佐々木先生はスイッチを入れてくれた方。ダメなときはダメと言ってくれて、いいときには褒めてくれた。一番影響を受けた指導者です」と感謝する。

 昨年末。監督就任の報告に行くと、「こだわりを持ったチームにしなさい。トヨタ自動車東日本にしかないこだわり、他にないものをつくったらいいんじゃないか」とアドバイスをもらった。

 目指すはもちろん、日本一。チームは18年に初出場した都市対抗では初戦負け。夏井監督は「都市対抗は高校生で言えば甲子園。全てを懸けて戦うところ。都市対抗では5連勝しないと日本一にはなれない。数段上の目標ですけど、壁を破りたい」と意気込みを口にした。

 母校の花巻東は今春センバツに出場する。「後輩の活躍は頼もしい。ぜひ、頑張ってほしい」とエールを送ると、続けた。「私も含め、若いチームですけど、監督としてワクワクしている」。34歳の新監督は後輩に負けじと、新たな目標に挑戦する。(記者コラム・川島 毅洋)

 ◇夏井 大吉(なつい・だいきち)1987年(昭62)10月31日生まれ、秋田県男鹿市出身の34歳。小2から野球を始め、男鹿東中では花巻南シニアに所属。花巻東では1年春からベンチ入りし3年夏に甲子園出場。富士大4年時には全日本大学野球選手権で準優勝。室蘭シャークス、トヨタ自動車東日本でプレーし、20年からヘッドコーチを務めた。

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2022年3月9日のニュース