日本ハム・万波「チョロチョロ」作戦のち3号 新庄監督にアピール効いた?代打で一発

[ 2022年3月9日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム5-5ロッテ ( 2022年3月8日    鎌ケ谷 )

<日・ロ>8回2死ニ、三塁、新庄監督の前で素振りする万波(撮影・長久保 豊)
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 日本ハムの万波中正外野手(21)が8日、ロッテ戦でオープン戦トップタイの3号同点3ランを放ち、初の開幕スタメンを引き寄せた。最近4試合で3本塁打、規定打席には到達していないが打率は・438と絶好調。課題だった確実性が増し、新庄剛志監督(50)が横一線を強調するレギュラー争いから一歩抜け出しつつある。

 万波らしい豪快な当たりだった。しかも、3日のヤクルト戦のオープン戦初本塁打を号砲に量産態勢。3点を追う8回2死二、三塁から代打で放った一発に「一発出せれば最高だなと思っていたので、最高の結果になった」と笑った。

 8回の攻撃。好機が広がる中、万波はベンチで「視界に入るところでずっとチョロチョロして」と新庄監督に無言のアピールを仕掛け、代打を勝ち取った。広畑と対峙(たいじ)した打席では、1ストライクから際どいコースの直球を2球連続で見逃し。カウント2―1から4球目の甘いカットボールを左中間へ運んだ。特大の135メートル弾よりも新庄監督が褒めたのは、打席での対応だった。

 ダイヤモンドを一周してベンチに帰った4年目の大砲に「去年なら(2、3球目に)手を出していたところ。あれを見逃せたのがホームランにつながったんだよ」と耳打ち。昨季までは結果を欲しがるあまり、際どいコースに手を出していた万波に「余裕を持ちなさい。必ず大丈夫だから」と諭してきた指揮官は、万波の変身ぶりに「びっくりするよね。本当にまた打ちよった」と舌を巻いた。

 オフ期間は体の連動性を求めて部分、部分を鍛えるウエートトレーニングをやめ、ウオーターバッグという水の入った重りを使用して体幹を強化。猫背も矯正され「パフォーマンスや(打撃の)確率の部分でプラスに出ているのは大きいかな」と手応えを口にする。

 オープン戦首位はDeNAに譲ったが、チームは0―5から追いつき、負けなかった。新庄監督は思い通りにチームづくりが進んでいるかどうかを問われ「もっといったろうかなと思って。そっちの方かな、俺は。その時に満足はしないね。レベルが上がれば上がるほど、そのさらに上にいったろうって思うタイプだから」とかぶとの緒を引き締める。

 覚醒の予感漂う春。万波は「出来過ぎな部分もある。落とし穴に気をつけながら、もう一度引き締めてやっていきたい」としつつも、「僕ら、特に若い選手はみんな目立ちたいと思っている」と目をぎらつかせる。初の開幕スタメンへ、まだまだ打ちまくるつもりだ。(東尾 洋樹)

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