開幕右翼へ猛アピール!広島ドラ3・中村健、3戦ぶり先発OP戦初マルチ「センター返しの意識で」

[ 2022年3月9日 05:30 ]

オープン戦   広島3ー10阪神 ( 2022年3月8日    甲子園 )

<神・広>7回1死一塁、磯村の左越え適時二塁打で生還する中村健(撮影・平嶋 理子)
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 広島ドラフト3位・中村健人外野手(24=トヨタ自動車)が8日の阪神戦でオープン戦初のマルチ安打を放ち、「開幕右翼」生き残りを猛アピールした。先発出場は3試合ぶり。徐々に出番が減少していた中で挽回に成功した。実績のある西川を当確とすれば、外野は残り2枠。走攻守三拍子そろった総合力の高さを首脳陣に印象づけた。

 新人の特権として出番を優遇される期間は、もう過ぎた。その証に中村健の先発出場は3試合ぶり。「最初の頃は、たくさんチャンスをいただけたけど…。一打席一打席がラストチャンスという思いで入ろうと思った」。今回の好機を逃せば、再び先発から遠ざかることは分かっていた。

 2回2死一塁では、一塁走者・小園がスタートを切ったカウント1―2からの4球目、西勇の決め球シュートを左前にはじき返した。5回先頭では、1ボールから石井の145キロ直球を逆らわず右前に運んだ。7回はフルカウントからの伊藤将の外角ツーシームに何とかバットを止めて四球を選ぶ冷静さも披露。4打席で3度出塁してフル出場につなげた。

 「とにかくセンター返しの意識で球に食らいついたことが、いい結果になったと思う」

 開幕右翼に向けての第一印象は完璧だった。2月中は紅白戦と対外試合で“チーム1号”を放つなど好調。オープン戦に入って一転、試合前まで10打数1安打と次第に存在感が薄れていった。

 その反省を生かして打撃を修正。構えた段階で軸足の右足に体重をかけ、左足を上げるタイミングも早めた。「初対戦で相手のことが分からない。早めに準備をして長く待つようにすると感覚が良くなった」。的確な修正によって久々の快音が生まれた。

 それでも社会人卒らしく浮かれた様子はない。「打撃は運もある。守備や走塁で差をつけられるように頑張りたい」。2回の左前打の際には、左翼からの返球をバックアップした西勇が処理をもたつくのを見逃さずに二進(記録は失策)。7回は、磯村の左越えの長打で一気に一塁から生還する好走塁も見せた。一方、中村奨は左翼守備のつたなさを露呈し、大盛も走塁死を犯すなど、他の若手外野陣の細かいミスの連続も中村健の総合力の高さを際立たせた。

 佐々岡監督は「チャンスを与えて結果が出れば、またチャンスをもらえる」と2戦連続での先発起用を示唆した。「開幕スタメンを獲るんだと気合を入れて獲れるものでもない。日々の積み重ねです」。野間や宇草も参戦する外野争奪戦の中で1人、肩の力が抜けている。(河合 洋介)

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