ソフトバンク「柔」の東浜、「剛」の朗希に負けてない!!“大人の投球”で5回零封「変化球操れた」

[ 2022年3月6日 05:30 ]

オープン戦   ソフトバンク1-0ロッテ ( 2022年3月5日    ペイペイD )

<ソ・ロ>5回を投げ、1安打無失点に抑えたソフトバンク・東浜(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの東浜巨投手(31)が5日、ロッテとのオープン戦に先発し5回を1安打で零封した。160キロ台を連発した「剛」のロッテ・佐々木朗に対し、最速は140キロ台ながらキレや配球、コーナーワークを駆使する「柔」の投球でロッテ打線を翻弄(ほんろう)。見応えのある投手戦で持ち味を発揮した右腕は、開幕へ不安なく調整を進める。

 剛に対し、柔で見せた。先発・東浜は5回9三振の佐々木朗と投げ合い、堂々の5回1安打無失点。最速163キロをマークするなど160キロ台を連発する「令和の怪物」を横目に「魅了されました。いや、ビックリしすぎて、言葉が出なかった。つられて良かったのかな」と苦笑いした。

 意地を張って力で対抗はしない。冷静だ。レギュラーシーズンで再現されるかもしれない期待通りの投手戦で、持ち味をいかんなく発揮した。真っすぐには10キロ以上の差がある。東浜の最速は149キロ。それでも、表示以上に力があった。初回、失策と死球で1死一、三塁も山口、池田を直球で連続三振。コースに投げ込み、難なくピンチを脱した。

 「直球でファウル、空振り、見逃しが取れた。僕の投球はそこが生命線になると思うので、いい状態じゃないかな」

 3回からはカーブを解禁。持ち球のカットボール、宝刀のシンカーを組み合わせる“大人の投球”でロッテ打線を手玉に取った。「組み立てとして、全部の球種を使わないといけない。ある程度、変化球は操れたかな」。力だけが全てではないことを知っている。

 今季は8割の力で最大限の出力を出す「省エネ」がテーマ。昨季は右肩不調などで出遅れ、4勝止まり。仕上がり不足から、中盤につかまるケースも目立ち、考え方を変えた。「150キロを投げるよりも、しっかり体で148キロを投げるイメージ。腕を振れば150キロも出るけど、長い回を考えた時にしんどくなる」。初回から爆発的な球速を出す佐々木朗とは、真逆のスタイルで戦い抜いていく。

 見据えるのは5年ぶりの2桁勝利と規定投球回到達。開幕ローテーションに内定している責任を持ち、「あとは右打者の外の直球。一球、一球の精度を上げていく感じ」と課題は明白。逆襲に燃える東浜が開幕スタートダッシュに向け、万全の準備を進めていく。(福井 亮太)

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2022年3月6日のニュース