牛島和彦氏 ロッテ・朗希は完璧に課題クリア 早め勝負に打者追い込み球数抑制成功

[ 2022年3月6日 05:30 ]

オープン戦   ロッテ0―1ソフトバンク ( 2022年3月5日    ペイペイD )

<ソ・ロ>初回2死、三ゴロに倒れる柳田。投手・佐々木朗(撮影・岡田 丈靖)
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 【牛島和彦 視点】ロッテの佐々木朗希投手(20)が5日、ペイペイドームでのソフトバンクとのオープン戦に先発し、5回2安打無失点、9三振の内容でまたも圧倒した。2月19日の日本ハムとの練習試合(名護)に続き、自己最速タイの163キロをマーク。これで今春は実戦3試合、10イニングを連続無失点、その間17奪三振と敵なし。3年目の進化を大きく予感させる投球を、スポニチ本紙評論家の牛島和彦氏が分析した。

 佐々木朗の前回登板を評論した際、開幕までの課題として「三振以外にどうやってアウトを取るか」という点を挙げさせてもらった。先発ローテーションを守るには7、8回を100球前後で乗り切ることが求められる。それには1イニング15球以内に抑えたい。3つ三振を取れば最低でも9球。早いカウントでポンとアウトを取れれば球数は抑えられる。この試合の佐々木朗はその課題に向き合っているように見えた。

 5回、先頭の栗原の2球目に緩い球を投げ、カウント1―2からの4球目にはスライダーで三振を取った。続く中村晃にも初球スライダー。いずれもボールにはなったが2回にはグラシアル、栗原の初球に緩いカーブでカウントを取りにいった。160キロの直球と鋭いフォークに緩いカーブとスライダーを意識させることで、相手も早いカウントから勝負せざるを得ない。17打者に9奪三振。アウトの数に占める三振数は多かったが結果的に初回から13球、12球、13球、16球、11球で5回を65球。球数を抑えるという課題は完璧にクリアできている。

 今年は投げっぷりにも自信が感じられる。三振はフォークが多かったが3回、牧原大を変化球2球で追い込み、3球目は162キロ直球でボール。4球目は外角低めに161キロで見逃し三振。直球で勝負できると思ったらズバっと行く。「こうしたら打ち取れるだろう」というのが分かっているような投球だった。

 松川とのバッテリーもいい。高卒ルーキーで佐々木朗の球を普通にキャッチングできて、ブロッキングも素早く動けている。二塁への送球も速い。佐々木朗は遠慮なく首を振れるし、自分の投げたい球を自分のペースで投げられる。開幕まで約3週間、佐々木朗は残り登板での課題を見つけるのが難しいほど仕上がっている。 

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