巨人・菅野を知らなかった!?日本ハム・新庄ビッグボス 先入観なく1~4番に新人ズラリ起用

[ 2022年3月6日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム3―0巨人 ( 2022年3月5日    札幌D )

<日・巨>8回1死二、三塁、水野の適時打に拍手する新庄監督(撮影・高橋 茂夫)
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 Who is 菅野?からの新人たちの連打で勢いづいた。日本ハムは5日、試合前に新入団選手・コーチ紹介セレモニーが行われた巨人戦で新庄剛志監督(50)が新人を1~4番に抜てきした打線が機能して3―0で勝利した。ドラフト3位・水野達稀内野手(21=JR四国)が8回1死二、三塁から奇襲のヒットエンドランを決めるなど、ビッグボス期待のルーキーズが躍動。まだ5試合ながら、3勝1敗1分けで他3チームに並びオープン戦首位に立った。

 ビッグボスルーキーズが球界屈指の右腕に襲いかかった。相手先発は菅野だったが、新庄監督は存在を認知していなかったという。

 「向こうの投手はいい投手みたい。知ってます?メジャーでも通用すると。本当に知らんから。楽しみですね」。20年まで、長くインドネシア・バリ島で暮らしていた指揮官。うそかまことか、幻惑なのか。1~4番まで新人が並ぶ、怖いもの知らずの打線が初回から見せ場をつくった。

 試合前セレモニーに参加するため、この日札幌に呼んだ2軍の阪口、有薗の高卒新人2人が1、2番。即戦力の水野を3番に置き、4番は打力に期待して1軍に同行する育成の速水が座った。指揮官は「高校生がガンガン打ったら凄いね」と話していたが、初回に有薗が148キロ直球を左前打して塁上でガッツポーズ。ベンチが沸く中、水野はスライダーを右翼線二塁打して1死二、三塁と攻め立てた。速水は空振り三振に倒れるなど無得点に終わったが、新人にとっては菅野の球筋を見られたのは貴重な財産。右腕は2回で降板し、1~4番で先発させたからこそ生まれた対戦機会で、18歳の有薗は「打てて自信になった」と笑顔だった。

 8回1死二、三塁では、水野が奇襲戦法に応えて追加点を奪った。スクイズも想定していたが、出たサインはヒットエンドラン。「びっくりした。ちょっと自分を疑いました」。空振りなら三塁走者がアウトになる危険なギャンブルだったが、外角スライダーを軽打した打球は三塁手を強襲する2点適時打となった。「(走者三塁でのヒットエンドランは)軟式野球だった中学であったくらい」と苦笑いだった。

 3―0の9回は6位の変則左腕・長谷川威が1回無失点で初セーブ。投打でビッグボスルーキーズが光った。チームは3勝1敗1分けで、DeNA、オリックス、楽天と並ぶオープン戦首位に。チーム打率・160は12球団ワースト、同防御率1・40はトップという組み合わせも、また指揮官らしい。試合後は取材対応がなく、多くを語らなかったビッグボスだが、菅野と原巨人という巨大な存在を触媒として覚醒するかのように躍動。どこまで計算していたのか、チームの底上げへ確実に実りある一日となった。(東尾 洋樹)

 【新庄の珍打線】

 ☆ガラポン打線 2月11日の阪神戦で公言通りガラガラポンの抽選器で打順を決定。試合直前のベンチで各選手が抽選器を回し、谷内が4番を引き当てた。

 ☆上沢監督打線 2月26日のDeNA戦はエースの上沢に采配を託し、オーダーも上沢監督が決めた。二塁が本職の渡辺を一塁で起用した。

 ☆4番俊足打線 2月8日の阪神戦で4番に俊足が武器の五十幡を起用した。「4番打者は足の速いバッター」という持論を早速実行に移した。

 ☆ファン投票打線 3月19日のDeNA戦は先発メンバーと守備位置をファン投票で決めると発表。球団公式サイトで13日まで投票を受け付ける。

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