阪神・梅野「悔しくもあり、中身の濃い1年だった」 ベンチスタートの最終盤、悔しさも収穫も激白

[ 2021年11月1日 05:30 ]

<阪神 練習> 練習で明るい表情をみせる梅野 (撮影・平嶋 理子) 
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 阪神の梅野隆太郎捕手(30)が31日、本紙にコラム「梅ちゃん隆儀」の第5回を寄せた。2位に終わったレギュラーシーズンを振り返った上でクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでの逆襲へ決意を新たにした。8年目の今季は自身最多125試合で先発マスクをかぶり、リーグ屈指の投手陣を好リード。優勝争いの中、最終盤11試合でベンチを温めた悔しさは、日本一を目指すポストシーズンにぶつける。

 レギュラーシーズンが終わり、チームとしては2位という、とても悔しい結果に終わりました。優勝という目標を掲げている以上、もちろん納得はしていませんし、乗り越えていかないといけない壁は、まだまだ多くあるんだと感じました。ただ全部悪いことばかりとは思っていません。8年目で最後の1試合まで分からないような優勝争いをしたのは初めてですし、悔しくもあり、中身の濃い1年だったと言えます。

 最後の11試合はベンチスタートでした。優勝争いをしている中、グラウンドで力が出せない状況だったのは悔しい…の一言です。ただ、試合の出場に関しては自分でコントロールできることではないですし、自分ができることは、途中から行く準備をすること。そこだけは絶対に怠らないようにしていました。スタメン時とは試合前までの過ごし方も変わってきますし、この期間は室内でバットを振り込む時間も、おのずと増えました。

 悔しい形での終わり方にはなりましたが、1年を振り返れば大きなケガもなくシーズンを戦い抜けたことは一つの収穫です。捕手として試合に出ている以上、体の状態がいつも万全ということは絶対にありませんし、球団トレーナーの方に毎日ケアをしてもらって、試合が無い日は必ず治療院に行って、後悔のないように日々の試合を迎えられるように時間を使いました。メンテナンスの面は本当に周囲の方に感謝です。

 バッテリーを組んできた投手への思いもわいてきます。120試合以上、マスクをかぶらせてもらって、誰よりも多くボールを受けてきて、誰よりもうれしい思い、悔しい思いもしました。その中でヤギ(青柳)、アキ(秋山)、(伊藤)将司が10勝してくれたことは素直にうれしいですし、開幕投手の(藤浪)晋太郎、西(勇)さん、ガンケル、(高橋)遥人…チャンスをつかんだ西純矢がプロ初勝利を挙げたことも。先発投手が一つでも多く勝てるようにと思ってミットを構えてきました。先発投手が降板しても、自分はスアレスが3つ目のアウトを取る最後までかぶって、先発に白星がつく。この喜びは、いつになっても変わりません。競った試合をリードすることは疲労感も全然違いますし、前半戦、その中でチームの貯金を増やしていけたことは、自信にもなりました。

 6日からはクライマックスシリーズも始まります。19年に横浜スタジアムで大逆転した試合もありましたが、短期決戦では1勝に対する思い、みんなにつないでいく思いがチームの勝利に近づくのかなと思います。自分が何をしないといけないのかという準備力、そこをしっかり頭の中で整理してぶつけていく。その結集がチーム力、勢いに変わっていくと思っています。恐れるものは何もないですし、今こそ一丸でタイガースの野球を貫いて、もう一度、日本一を目指します。 (阪神タイガース捕手)

 ▽今季の梅野 5年連続の開幕スタメンマスクで、出場130試合中125試合に捕手で先発出場。バットでは得点圏でリーグ2位の打率.321と勝負強さを発揮した。5月13日に国内フリーエージェント(FA)権を取得。シーズン中断中の7、8月の東京五輪では侍ジャパンの一員として準々決勝の米国戦で先発マスクをかぶったほか、献身的にチームをサポート。金メダル獲得に貢献した。後半戦は9月以降打率.140と調子を落とし、10月12日以降はベンチスタートが続いた。

 ○…甲子園で行われたシート打撃で、10月20日のヤクルト戦以来11日ぶりに実戦マスクをかぶった。斎藤、尾仲の2投手をリードし、大山、マルテら打者14人に1安打5三振と好投を引き出した。2度の打席では安打こそ出なかったが、守屋からは強い左へのライナーを放ち、振りの鋭さをアピール。6日の巨人とのCSファーストS初戦に向け、準備を続ける。

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2021年11月1日のニュース