慶大30年ぶり春秋連覇 盗塁成功率100%「失敗しない男」渡部遼が全得点に絡み3安打2打点

[ 2021年11月1日 05:30 ]

東京六大学野球最終週最終日   慶大3―3早大 ( 2021年10月31日    神宮 )

<早大・慶大>優勝し歓喜の輪をつくる慶大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 早慶戦2回戦が行われ、慶大が早大と3―3で引き分け6・5ポイントで並んだ早大を勝率で上回り、2季連続39度目の優勝を飾った。春秋連覇は91年以来30年ぶり。オリックスからドラフト4位指名を受けた渡部遼人外野手(4年)が3安打2打点をマーク。チームは明治神宮大会(20日開幕、神宮)に出場する。早大・今井脩斗内野手(4年)が戦後15人目の3冠王を獲得した。

 悪夢がよぎった。3―3の最終回は、2死二塁のピンチ。昨秋は1点リードの9回2死から逆転2ランを浴び、優勝をさらわれた。最後の打者を二飛に抑えると、慶大ナインは、マウンドで歓喜の輪をつくった。連盟によれば、リーグ史上初の引き分けでの優勝決定だった。

 引き分け以上で優勝という大一番も、初回に3失点。逆転のキーマンは2番の「失敗しない男」渡部遼だった。0―3の5回2死二、三塁から50メートル5秒9の俊足で、遊撃へ適時内野安打。7回2死一、二塁では、1点差に迫る右前適時打に、外野からの返球がそれて同点に追いついた。

 中前打した初回は二盗を決め、通算24盗塁。慶大OBの小林宏が持つリーグ記録の62個には及ばないが、リーグ戦4年間を盗塁死ゼロで終えた。「とにかくチャンスをつくろうと思って走ってきた。アウトにならなかったことは自信にしたい」。規定打席に到達したシーズンでは初の3割となる打率・359で、満票でベストナインに初選出された。オリックス4位は同じ俊足巧打の左の外野手だったイチロー、今季投手5冠の山本らと同じ出世順位で、さらなる飛躍が期待される。

 春秋連覇は30年ぶり。立役者は優勝インタビューに呼ばれ「勝てて良かったです。ん?引き分けです。すみません」と照れ笑い。6月の全日本大学野球選手権も制した今季、11月の神宮大会では東京六大学史上初の年間4冠に挑む。堀井哲也監督は「選手が頑張ってくれた。六大学の代表として、しっかり戦いたい」と力強かった。(川島 毅洋)

 ▼渡部 遼人(わたなべ・はると)1999年(平11)9月2日生まれ、東京都出身の22歳。小2で野球を始め、調布三中時代は世田谷西シニアに所属。桐光学園では甲子園出場なし。慶大では1年春からリーグ戦に出場。遠投95メートル。1メートル70、67キロ。左投げ左打ち。

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