全国的には無名、ドラフト指名に反対の声もあった…栗山の才能を見抜いた西武スカウトの眼力

[ 2021年9月4日 18:10 ]

パ・リーグ   西武ー楽天 ( 2021年9月4日    楽天生命 )

01年、ドラフト4位で西武に入団した栗山巧(左)。中央は伊原監督、左から2人目より細川、中村、竹内
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 西武・栗山巧外野手(38)が4日、楽天戦(楽天生命パーク)に「6番・DH」で先発出場し、9回の第4打席、楽天4番手・牧田から安打を放ち、プロ野球史上54人目となる通算2000安打を達成した。

 4分の2。西武の01年ドラフト会議指名選手は4人のみ。そのうちの2人が、中村と栗山だった。

 当時、取締役編成担当の浦田直治氏(84)は「少数精鋭。使える選手を指名した」と振り返る。スカウト部長だった楠城徹氏(70=九州国際大付監督)も「3~5年先を見据えた戦略で、それに合致した指名だった」。それから20年が。高卒で同学年の2人は長きにわたり中心選手として活躍する。そして、栗山は球団生え抜き初の通算2000安打を達成した。

 当時のスカウト会議。左打ちの外野手でめぼしい選手がいなかった。そんな時、浦田氏は関西地区担当の鈴木照雄スカウトから「ぜひ見てください」と「栗山巧」という名前を伝えられた。チームに同行していた浦田氏は、大阪遠征の際に育英まで足を運んだ。練習、試合を見て「これならレギュラーになれる」。それが第一印象だった。

 「やっぱりバッティング。大きいの(長打)はないが、打撃がうまかった。足も肩もある。これなら使える、と」。楠城氏も「広角に打てる打撃で、アベレージタイプだと思った。中村は長距離砲。その意味のバランスも考えた」と振り返る。ドラフト会議の際は無名ゆえにスカウトの中には指名に反対する声もあった。それでも浦田氏は「指名しろ」。4巡目。鈴木照スカウト、浦田氏、楠城氏らの眼力に導かれ、栗山は西武に入団した。

 あれから20年。ドラフトの4番目以降の指名(ドラフト外含む)で2000安打を達成したのは10人目だ。「2人ともよう長いことやってるなあ」と懐かしそうに話す浦田氏は、栗山に「おめでとう。長くやったたまものだな」と祝福の言葉を贈った。

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