堀内さん「成長が止まってしまうよ」 期待しているからこそ戸郷に苦言 フォークは「危険なボール」

[ 2021年9月4日 17:59 ]

セ・リーグ   巨人3―7阪神 ( 2021年9月3日    甲子園 )

堀内恒夫氏
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 元巨人監督で野球解説者の堀内恒夫さん(73)が4日、自身のブログを更新。3日の阪神戦(甲子園)で今季6敗目を喫した巨人の3年目右腕・戸郷翔征投手(21)に“奪・フォーク”のススメを説いた。

 戸郷は5回まで完全投球。3回には全球フォークで大山を3球三振に取るなど3連続を含む4奪三振と快投を続けた。だが、3―0で迎えた6回、先頭・大山に初安打を許した後で代打・糸井に右中間二塁打を打たれて1点を失うと、7回には1死からマルテ右翼線二塁打、ロハス・ジュニア四球、糸原中前打で満塁のピンチを招き、大山に初球を左翼線二塁打されて3―3の同点。ここで降板して6月26日のヤクルト戦(神宮)以来69日ぶりとなる今季9勝目がなくなった。リリーフ陣も打たれ、戸郷は7回5安打5失点という投球内容だった。

 「またしても目の前の1勝が手に入らなかった」と個人的にも期待している戸郷が8勝で足踏みを続けることを憂いた堀内さん。「戸郷については同じことを繰り返し言ってしまうがフォークの使い方を今一度考えてほしい。フォークってねピッチャーにとって魅力的なボールなんだよね。バッターが目の前でクルックル回ってくれて三振が取れる。でもね、早いうちからフォークに頼るとピッチャーとしての成長が止まってしまうよ。戸郷に対してはそれを心配している。フォークは魅力的であり効果的なボールでもあるけれどそれと同時に危険なボールでもある」とした上で「戸郷は150キロ台のまっすぐが投げられるのに昨日も140キロ台にとどまっている。フォークでストライクが取れなくなってくるとまっすぐのスピードを落としていいところに投げようと意識しているようにも見えた。大城のサインに首を振ってフォークを投げるシーンも目についた。厳しいことを言うけれどフォークで三振を取っても自己満足に過ぎないよ」と大きく育ってほしいからこそ、厳しい言葉を投げかけた。

 「俺も三振だけで27人で終わりたい。そんなことを考えた時期もあったよ(笑)でもね、ピッチャーにとって三振を取ることが名誉ではなくチームが勝つこと、そのために投げてることを忘れちゃいけないよ」と堀内さん。「速いまっすぐも投げられるんだからもう少し、組み立てを考え直した方がいいね」とアドバイスを送った。

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2021年9月4日のニュース