糸井から始まった阪神の逆転劇 球団最年長40歳がバットでナイン鼓舞 代打で悪い流れ断ち切るタイムリー

[ 2021年9月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7-3巨人 ( 2021年9月3日    甲子園 )

<神・巨>6回無死一塁、糸井は右中間に適時二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 猛虎最年長の40歳がバットでナインを奮い立たせた。5回まで戸郷の前に打線が完全に沈黙。0―3の6回、先頭の大山が中前打で初出塁すると、いつもより早めに「代打・糸井」がコールされた。

 外角中心に配球してきた右腕の球をしっかりと見極め、フルカウントからの6球目。甘めに入った148キロ直球を見事に捉えた打球は、右中間を破る適時二塁打となった。

 「大山が塁に出てくれたので、とにかく自分もつなぐ気持ちでした。新井良太コーチもお尻をたたいて打席に向かわせてくれたので、いい結果につながりました」

 2歳年下の打撃コーチに感謝のイジリ?を忘れないのも超人らしい。1打点以上に、完全に相手ペースだった試合の流れを変える価値ある一打だった。

 09年に日本ハムでレギュラーを奪って以来、圧倒的な身体能力を武器に試合に出て当たり前の存在だった。さすがの超人も、不惑を迎えた今季の先発は7試合にとどまっているが、若手に混ざって早出特打をこなすなど決して準備は怠らない。

 そのまま守備に就いたものの、7回1死二、三塁の打席で左腕の高梨が投入されたところで、代打・サンズが送られた。自身に代打が出されることも極めてレアだが、チームが勝てばそれでいい。

 「自分というよりはみんなで勝とうという気持ちだけ。毎日、最高の集中でみんなやっているので、明日も頑張ります」

 今のチームにほとんどいない優勝の味を知る男。シーズン大詰めになればなるほど、頼もしさは増してくる。(山添 晴治)

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2021年9月4日のニュース