大谷、殿堂入り強打者に並んだ39号 本拠初先頭弾で球団左打者最多

[ 2021年8月16日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2ー8アストロズ ( 2021年8月14日    アナハイム )

<エンゼルス・アストロズ>初回無死、大谷は右中間へ39号先頭打者ソロ本塁打を放つ(撮影・沢田 明徳)
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 独走態勢に入った。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が14日(日本時間15日)、アストロズ戦で、初回先頭打者アーチとなる39号ソロ。2位に4本差をつけるとともに、通算563本塁打の殿堂入り強打者、レジー・ジャクソンが1982年にマークした左打者のシーズン球団記録に並んだ。3回にも中前打を放って11試合ぶりのマルチ安打。本塁打、打点の2冠王獲得に向け、着実に復調してきた。

 フォロースルーが大きい、大谷本来のスイングで運んだ。初回無死。4月にも本塁打を放っている先発右腕L・ガルシアの、3球目のチェンジアップをすくい上げた。6月25日のレイズ戦以来、自身2度目で本拠では初の初回先頭打者アーチは、右翼席への39号ソロ。本塁打王争い2位のブルージェイズ、ゲレロとの差を4本に広げた。

 右ふくらはぎの張りで離脱している主砲トラウトの復帰のめどが立っていない現状。ジョー・マドン監督は「今の状況を考えると、リードオフ(1番打者)が彼(大谷)にとって最適な方法だと思う」と言う。後半戦はなかなか状態が上向かなかったが、1番で出場したここ5試合は全て安打を記録し、本塁打も2本目だ。

 39号は、通算563本塁打のレジェンド、レジー・ジャクソンの数字に並ぶ、左打者の球団最多記録。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで周囲との摩擦も多かったキャラクターは正反対だが、三振を恐れない大谷の豪快なスイングは共通項だ。残り44試合で、40号の大台に王手。現在は年間53本ペースで、00年のトロイ・グロースによる47本塁打の球団記録も視界に捉えている。

 本塁打の後も好打席が続いた。3回は鋭い中前打を放ち、今季17盗塁目となる二盗も記録。9回の左飛は逆方向にもかかわらず、この日の全試合で最速の114・9マイル(約185キロ)を計測した。マドン監督が「これまで見た中で最も強烈」と驚くほどの打球だった。重心が軸足の左足に残って大谷が大事にするボールとの「距離」が保たれ、スイングに強引さが消えた。指揮官に「彼は調子を取り戻している。ホームプレート全体をカバーし逆方向へ打ち、スイングの方向性も良くなっている」と完全復調へ太鼓判を押された。

 86打点もリーグ3位タイで1位のレッドソックス・ディバースと3差。本塁打王、打点王、そしてMVPへ。開幕から二刀流でフル回転する疲労がないはずはない。しかし、大谷はかねて「暖かくなると動きやすくなる」と話す「夏男」。再び量産態勢となる予感が漂っている。(笹田 幸嗣通信員)

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