阪神 両リーグ最速50勝!岩崎、ただいま零封 五輪でも虎でも変わらず冷静沈着「いつも通り」

[ 2021年8月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-0広島 ( 2021年8月15日    京セラD )

<神・広>9回2死三塁、岩崎は広島・松山を見逃し三振に抑えガッツポーズ(撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 阪神・岩崎優投手(30)が15日の広島戦で昨年11月5日のヤクルト戦以来となる通算3セーブ目を挙げた。金メダルに輝いた東京五輪から帰還し、最初の登板で代役守護神を見事に務めた。スアレス不在で迎えた後半戦開幕の3連戦を勝ち越し、両リーグ最速で50勝に到達。救援陣の踏ん張りもあり、2日連続で首位陥落の危機を切り抜けた。

 国際舞台でも、本拠地のマウンドでも遂行するミッションは変わらない。東京五輪後、初めての登板で岩崎が託されたのは3点リードの最終回。金メダルの次は、猛虎の勝利を呼び込んだ。

 「いつも通りです。ちょっと間隔が空いたので、その辺の違いはありましたけど」

 おなじみの登場曲「アイキャントライ」を背に静かに向かった仕事場で、冷静沈着に3つのアウトを奪った。2死三塁から最後は松山を内角直球で見逃し三振。「良かったです。スアレスがいないから…というので、ごちゃごちゃするの嫌だったので」。今季初、通算3個目のセーブで零封継投を締めた。

 ベンチは秋山を5回で降ろし、9回=岩崎を逆算しながら早めの継投策に打って出た。6回から全員が連投だった及川、馬場、アルカンタラという新たな勝ちパターンの面々が無失点で託したバトンを手に力投。矢野監督も「優は、どの場面でも経験がある。こちらも自信を持って送り出している。いい意味で淡々と投げてくれました」と期待通りの好救援をねぎらった。

 開幕から状態が上がらず6月4日に再調整のため一度登録を外れた。「いい時に打たれたり、悪い時に抑えたり。かみ合わないことも多かったですが、ここ2年に比べたら間違いなく打たれて、点も取られてるわけで。一番はコントロール。多少、メカニックの部分も取り組んで。まあ、そんなことは今回に限らず、永遠にやってはいるんですけど…」。鳴尾浜では投げ込みではなく、肩を休めることやフォーム修正に時間を割き、体力面では走り込みの量を増やした。再昇格までの約2週間で、直球の球威には「だいぶ良くなった」と手応えを感じるまでになった。

 感情をあらわにすることを良しとしない男が「見返してやります」と闘志を燃やして挑んだ東京五輪では金メダル獲得に貢献。再び、タテジマに着替え直した先に次なる“てっぺん”を見据える。

 「しっかり勝利で(ファンを)喜ばせていかないといけないので。また1試合、1試合です」。どんな場面、どんな役割でも浮き沈みしないのが頼もしい。背番号13の存在をかみしめた夜だった。(遠藤 礼)

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月16日のニュース