西武・渡辺 5回1失点でプロ初先発初勝利「内海さんとローテ回りたいので一緒に頑張りましょう」

[ 2021年8月16日 05:30 ]

パ・リーグ   西武10-2楽天 ( 2021年8月15日    メットライフD )

<西・楽>力投する渡辺(撮影・尾崎 有希)
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 20歳の若獅子は貫禄たっぷりだ。初めてのウイニングボールを手にしても、西武・渡辺は笑顔でこう言った。

 「いつもキャッチボールで使っているのと同じようなボールなので、いつもと同じような感覚です」。2回までに6点の援護をもらうと最速149キロの直球にスプリットもさえ、4回まで2安打無失点。辰己と対戦した5回無死一、二塁ではフルカウントになると、森のサインに4度も首を振った。「絶対に後悔したくない」と一番自信のある内角のカットボールを選択。三ゴロに仕留め、5回を4安打1失点でプロ初先発を初勝利で飾った。

 1メートル91、91キロの恵まれた体格を誇る「内海門下生」はプロ入り後の2年間、1軍のマウンドが遠かった。飛躍を誓った3年目は1月に奄美大島で行う自主トレに同行。「巨人時代に(日テレ系の)ズムサタで見ていた人」とジョーク交じりに慕う通算135勝左腕のもとで下半身を鍛え直した。心の部分も学び「あれだけの人なのに初心を忘れない。謙虚さを常に持って行動するべき」と胸に刻む。登板前、内海からは連絡がなく「正直寂しかったです」。それでも「内海さんとローテを回りたいので一緒に頑張りましょう。あ、これヤバい…上から目線すぎる」と憎めない弟キャラ全開で喜んだ。

 浦和学院1年冬には寮生活になじめず、退部の危機に立たされた。その時、連絡をくれ、引き留めてくれた森士監督が今夏限りで退任する。「そこでやめていたら今の自分はない。愛情深い、凄く尊敬できる監督です」。恩師は夏の甲子園で最後の戦いに臨む。その前に孝行息子が、プロで生きる道を示した。(花里 雄太)

 ◇渡辺 勇太朗(わたなべ・ゆうたろう)2000年(平12)9月21日生まれ、埼玉県羽生市出身の20歳。浦和学院では1年秋からベンチ入りし、3年夏の甲子園ではベスト8に導き、高校日本代表としてU18アジア選手権に出場。18年ドラフト2位で西武に入団した。1メートル91、91キロ。右投げ右打ち。

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