盛岡大付・関口監督「あの取り方でしか、流れ変えられなかった」 平内の先制弾で好投手打ち崩した

[ 2021年8月16日 18:45 ]

第103回全国高校野球選手権第4日 1回戦   盛岡大付7-0鹿島学園 ( 2021年8月16日    甲子園 )

<盛岡大付・鹿島学園>ナインを集め、話をする盛岡大付・関口監督(左から2人目)=撮影・河野 光希
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 第103回全国高校野球選手権大会の第4日は16日、甲子園球場で1回戦が行われ、第4試合では、4年ぶり11度目の出場となった盛岡大付(岩手)が、春夏通じて初出場の鹿島学園(茨城)を7-0で破り、2回戦に進出した。盛岡大付は、ベスト8入りした99回大会(2017年)以来、4年ぶりの夏勝利となった。

 初戦快勝となった関口清治監督だが、試合後は汗をぬぐった。鹿島学園の先発・薮野の前に、序盤3回までわずか1安打。流れを変えたのが、4回、2死一、二塁から右翼へ先制3ランを放った平内だった。同監督は「平内はストレートを待っていたと思うが、しっかりと精度よく、打ち返してくれた。ワンチャンスしかありませんでしたので、あの取り方でしか、流れを変えることができなかったと思う」と殊勲弾を評価した。

 4回の攻撃前には手応えも感じ始めていた。円陣を組み「選手たちがボールが見え始めている様子だった。薮野投手のワンバンをしっかりと見切っていたので、いけるのではないかと選手には伝えた」と語りかけた様子を明かした。直後の攻撃で先制3ランが飛び出し、試合を優位に運んだ。

 打線が売りのチームは、岩手大会5試合で50得点をたたき出した。高校通算64本塁打の松本や、岩手大会新記録となる5試合連続本塁打を放った金子など強力打線でチームを引っ張り、準決勝を含む3試合でコールド勝ちと「わんこそば打線」の異名を持つ。それでも、甲子園初戦では、6回に渡辺のスクイズなど効果的に得点を奪い、「渡辺は信頼している選手ですので、どの方法でもランナーを還したかもしれないが、信頼しているからこそ、一番確実な方法を使って、スクイズをさせた」と、硬軟織り交ぜた得点の奪い方に指揮官も手ごたえを口にした。

 投げても、渡辺が9回を5安打完封勝利。初回に2死満塁、2回には1死三塁と先制の危機を招くが、無失点で抑えて波に乗った。同監督は「前半のピンチで1点を取られていれば、全く流れの違うゲームになっていた。辛抱強く低めに投げ続けて、抑えてくれたと思う」と評価。ピンチで伝令をマウンドに向かわせた際には「1点、2点はしようがないよ、と。リラックスするような言葉を選手から掛けさせて、それでもよく0点に抑えてくれたなと思う」と、125球の奮闘を称えた。

 昨季はコロナ禍のため、全国大会も中止で交流試合となるなど各校が苦しんだ。同監督も「去年は甲子園すら目指せないまま終わったので、甲子園に立てるだけでも幸せだぞ、と選手には話した。さらに勝てたのは非常にうれしい」と、感無量の面持ちで喜びを語っていた。

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