天国のノムさんもぼやかない?阪神 追悼試合でつないだつないだ10年ぶりの7連打

[ 2021年6月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-3ヤクルト ( 2021年6月29日    甲子園 )

<神・ヤ(10)>2回2死一、二塁、佐藤輝は右前適時打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は29日のヤクルト戦に勝って、連敗を3で止めた。2回2死無走者から2011年7月3日横浜戦以来、10年ぶりの7者連続安打を記録し一挙5得点。近本光司外野手(26)の右前への同点打、糸原健斗内野手(28)の中前への勝ち越し打など全て単打のつなぎの姿勢で逆転を呼んだ。この日は両チームで監督を務め、昨年2月に亡くなった野村克也氏の追悼試合で、天国のノムさんに勝利を届けた。

 こんな攻撃なら、天国の野村監督もぼやくことはないだろう。“飛び道具”である村上のソロ本塁打で先制された直後の2回、猛虎打線が“これでもか”とばかりの単打、単打でつながった。

 2死無走者から梅野の右前打が反撃の合図となった。続く投手の青柳も左前打し一、二塁と好機拡大。相手先発の田口にとっては想定外だったはずで、近本はそのわずかながらの動揺を逃すことなく仕留めた。カウント1―2と追い込まれながら低めスライダーに食らいつき右前に同点打を放った。

 「2アウトから梅野さんとヤギ(青柳)さんがつないでくれたチャンスだったので、何としても同点という気持ちはあった。結果的にヒットになってうれしい」

 初回に続く右前打で3回の中前打と合わせ2試合連続猛打賞。打率も今季初めて3割(・300)に乗せた。

 リードオフマンの働きに糸原も黙ってはいない。同点となり、なおも一、三塁から高め直球を捉え勝ち越しの中前適時打を放った。

 「任されているところで、自分の仕事をするだけだと思っている。(先に)点を取られて、嫌な流れだったが、青柳が打ったので、負けてられないと思って打ちました」

 27日のDeNA戦から再結成した「チカイト」の1、2番が2試合目で機能すれば、中軸も打たないわけにはいかない。マルテは2ストライクからフォークボールを左前に運んで3点目を奪うと4番サンズは中前適時打。佐藤輝も右前に適時打を放ち、この回、一挙5得点。7者連続安打は、チームにとって実に10年ぶりだった。

 矢野監督も「大量得点というのは四球とかエラーとかが絡むけど、そういうことがなく、みんながヒットでつないだというところでいい攻撃ができた」とうなずいた。

 得点はこの回だけだったが、4試合ぶりの2桁11安打を放ち、低調だった打線が復調へのきっかけをつかんだはず。7安打すべてが単打――が物語る「つなぎ」の姿勢は、ライバルたちには脅威以外の何ものでもない。(長谷川 凡記)

 ○…阪神は2回、梅野から7者連続安打で5得点の猛攻。イニング7打数連続安打は、16年7月27日のヤクルト戦4回に球団記録の10打数連続安打(1犠打、2四球を挟む)して以来5年ぶり。犠打、四死球を挟まない7者連続安打は11年7月3日横浜戦初回の7者連続以来10年ぶり。チーム最長は1リーグ時代の46年9月19日、中部日本戦4回の9者連続。

 《7連打のトリで、5試合ぶり打点》阪神・佐藤輝が7連打の“トリ”を務めた。サンズまでの6連続単打で4点を奪い、なお2死一、三塁。2球で追い込まれながらも田口の低めスライダーに食らいつき、右前適時打とした。5試合ぶりの打点で適時打は9日日本ハム戦以来だった。「2死からいい攻撃が続いていたので、何とか続くことができるように必死で打ちにいきました」。その後の2打席は連続三振で今季99個に伸びたが、大事な場面で仕事を果たした。

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2021年6月30日のニュース