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【畑野理之の理論】ムード変えられる「マルちゃん」の魅力

[ 2021年2月12日 08:00 ]

<阪神宜野座キャンプ>笑顔を見せるマルテ(撮影・坂田 高浩)
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 練習開始時に組んだ円陣で、マルテがひと芝居うった。いきなりでんぐり返しでクルッと一回転して輪の真ん中へ。みんなの視線を集めると、「ワンデイ、カプタン。トゥデイ、ガンバリマス」と、この2年間で覚えたニホンゴであいさつした。

 カプタン=capitanとは、スペイン語でキャプテン。この日は日本ハムとの練習試合だったため1日キャプテン制を行う予定はなかったが降雨中止となり、急きょマルテが立候補した。ピンクのユニホームに袖を通すと、キャプテン恒例の「あいうえお作文」にもトライ。井上ヘッドコーチから「マルテの“マ”は?」とお題を与えられると、さすがに「スミマセン。ワカリマセン…」。ここまでのシーンを球団広報が撮影した映像を見せてもらったが、ナインは大盛り上がり。那覇空港発着便が欠航となるほどの暴風雨で、練習メニューが室内練習場に変更されて気持ちが沈みそうなところを、一気に明るくしていた。

 これがマルテの魅力の一つなんだろうなあ。1年目の19年こそ105試合に出て打率・284、12本塁打で夏場以降は4番を任されたが、昨年はわずか29試合で・252、4本塁打。オフにボーアが解雇されて、サンズと同じ右打者のマルテが残ったので正直、不思議に思っていた。

 ファームに落ちても一生懸命で、「マルちゃん」と呼ばれるなどチームにすっかり溶け込んでいる。でも、それだけでは試合に出られないし、マルテからも単なる“いいヤツ”だけで終わるつもりなんてまったく感じられない。おそらくサンズと一塁を争うが、久慈内野守備兼バント担当コーチは2人に高いレベルでの競争を期待している。「ピンチになればマウンドに行ったり、片言の日本語でコミュニケーションもとれるし、巨人、DeNAに8年間いたロペス(昨季DeNA退団)みたいになってほしい」

 マルテは7日に早出特守を行い、臨時コーチの川相氏の指導を受けて先制アピール。それどころか、「もともと三塁に慣れているし、三塁の準備もするつもりだ」と、なんと大山を蹴落とすことも考えている。内に秘めたハングリーさはハンパじゃなさそうだ。そういえば、きょうもサンズよりも遅くに球場を後にしていた。 (専門委員)

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