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「野球に学び、野球を楽しむ」阪神・矢野監督、野村克也さんの「教え」胸に日本一目指す

[ 2021年2月12日 05:30 ]

ベンチで矢野にアドバイスを送る野村監督

 阪神の矢野燿大監督(52)が11日、現役時代に薫陶を受けた野村克也氏(享年84)の一周忌を機に、恩師の金言を胸に刻んで頂点へと突き進む決意を新たにした。「挑む・超える・頂へ」をスローガンに掲げ、楽しみながら勝つことを目指す就任3年目。監督室に飾る野村さん直筆色紙「野球に学び、野球を楽しむ」をモットーに、36年ぶりの日本一を報告することを自らの使命とした。

 自身をプロ野球選手として一人前に育てあげてくれたノムさん。恩師の一周忌となった11日、矢野監督は改めて感謝の気持ちを言葉にし、今も監督室に飾っている色紙に記された故人からのメッセージを、今季の自身の進む道に重ね合わせた。

 「(監督就任のあいさつで)野村監督の家に行った時、色紙を1枚いただいた。監督室に置いているんだけど『野球に学び、野球を楽しむ』と書いてあって。野村監督と一緒に野球をやっている時は楽しむというのを感じなかった。そういうことを口にされたこともあまりなかった。だけど、色紙にそう書いてあるのがオレにはうれしくて。野村さんの中でもちろん楽しんでいたんだけど、そう書くということは強く思っていたんだなと。だからオレは、よりオレが思う、楽しむというのをやっていきたい」

 常々「3割打てたのは野村さんのおかげ」と話す。同じ捕手として野球の勉強も大いにさせてもらった。「準備力というのはすごく教えられたし、見えない物が見えるようになるんだなと。日々の自分からそういう気持ちで、オーバーだけど心の目でグーッと力を入れていくと、今まで見えない物が見えてくるというのは捕手でも経験させてもらったから。そういうのを伝えていっているところだけど」。プレー面だけでなく、人生に関わるような教訓をたくさんもらったと振り返る。

 「『野球に学ぶ』というのはたぶん、嫌なこと、苦しいことの方が多いから。そういうところで逆に学べるというのを、野村さんも間違いなく感じられているし。だからこそ勝った時にうれしいし、オレは楽しむというところに挑戦したい」

 同じ監督業に就いたからこそ、以前は分からなかった「ノムラの考え」も深く理解できるようになった。それを選手、コーチに還元しながら、自身の「矢野イズム」もより洗練させてきた。契約最終年となる3年目の目標は言うまでもなく、頂点。「日本一になると決めているので。日本一の報告をしたいです」。恩師が見守る空に向かい、力強く宣言した。(山添 晴治)

 ▽現役時代の矢野と阪神・野村監督 97年オフに中日からトレードで阪神に移籍。99年、野村氏が阪神監督に就任した年に9年目で初の規定打席に到達し、打率・304と飛躍。阪神捕手の打率3割は79年若菜(・303)以来20年ぶりだった。01年野村監督辞任までの3年間で346試合に出場。打率・272、16本塁打、83打点。守備では正捕手として332試合(先発300試合)、左翼で01年に4試合(先発3試合)出場した。

 《平田2軍監督 若虎にイズム注入》平田2軍監督は、野村氏が阪神監督時代に1軍コーチとして仕えた3年間に思いをはせ、「勉強させてもらったことは野球人生において非常に生きている。ミーティングでは野球人の原理原則を説くわけよ。今回のキャンプは(選手たちに)自分の野球人生にプラスになる行動にしようと話をした」。受け継いだ“イズム”を若虎たちに継承し、野球だけでなく、人としての成長も促す。

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