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レンジャーズ有原 記者との「質問は1つで」のやり取り 後輩大谷もいじる飾らない人柄と実直さ

[ 2021年2月12日 09:00 ]

渡米した際のレンジャーズ・有原
Photo By スポニチ

 「質問は1つでお願いします」。去る2月某日。レンジャーズの有原がそうイタズラっぽく笑った。懐かしかった。筆者が「質問は8つくらい考えてきました」と返すと、「多いですね」と再び笑いつつ、明るく取材に応じてくれた。

 有原が米国に旅立った。「わくわくが大きくて、いよいよ始まるなという楽しみな気持ちです。全てが初めて(の経験)なのでそっち(米国)の流れに適応できるように頑張りたいです」。アリゾナ州サプライズで約1カ月間のキャンプを過ごし、オープン戦を経て、いざ開幕へ。夢だったメジャーリーガーになる。

 冒頭のやり取り。新人だった有原に当時日本ハム担当だった筆者がよく一言目に話しかけていた言葉からきている。「1つだけ質問していいですか?」。当時の有原はメディアによく話すタイプではなかった。どうしても足を止めてもらい、ゆっくり話したかった。後に「1つだけ」と言いながら、2つも3つも質問する筆者のことを快く思っていないと聞いた時はひどく反省した。

 この関係性をいじってきたのが有原の2学年下の大谷(現エンゼルス)だった。千葉・鎌ケ谷でのある練習日。大谷が私に近寄ってきて、笑いながら話しかけてきたことがあった。「有原さんが“1つだけ”と言ってから、たくさん質問するのはやめてほしいと言っていましたよ」。大谷と有原は仲が良かった。大谷が有原をいじり、大笑いする声がグラウンドに響き渡る。そんな光景を何度見たか。そんな仲だから、大谷に愚痴をこぼしたことがあったのだろう。その後、筆者は有原に直接、謝罪した。最後は握手を求められ、大人の対応で許してくれた時は感謝の気持ちでいっぱいだった。

 さあ、メジャー1年目。有原のレンジャーズはその大谷のエンゼルス、菊池のマリナーズなどと同じア・リーグ西地区だ。両チームとは年間19試合も組まれ、日本のファンにとって楽しみな対決が間違いなく増えることだろう。有原は言った。「まだそこまで意識出来る状況じゃないと思いますけど、シーズンが始まったら、とにかくチームが勝てるように必死に投げるだけかなと思います」。飾らず、素直に、チームのために。有原らしい謙虚な言葉だった。

 「“対戦したい打者”に挙げていた大谷選手と渡米前に改めて連絡は取りましたか?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。「改めては取っていないですね。オープン戦で会うんじゃないかなと思っているので、そこでまあいろいろと喋れたらなと思います」。アリゾナの抜けるような青空の下、2人の甲高い笑い声がグラウンドに響き渡る。そんな光景を想像するだけでも今から楽しみだ。

 搭乗口に向かう前、有原は歩きながら笑顔で話した。「アメリカではしっかり喋りますから」。気を遣わせてしまい申し訳なかったが、その気持ちがうれしかった。今後の野球人生のターニングポイントになるだろうメジャー1年目。その夢を追っていきたい。(記者コラム・柳原 直之)

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