マー君、ヤンキース退団濃厚 パドレスなど獲得に興味 国内復帰なら楽天が最有力

[ 2021年1月17日 05:30 ]

田中将大投手
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 ヤンキースは15日(日本時間16日)、昨季首位打者のDJ・ラメーヒュー内野手(32)とサイ・ヤング賞2度のコーリー・クルバー投手(34)との契約に合意したと、複数の米メディアが報じた。ヤ軍は年俸総額を一定額以内に抑える方針で、残る補強資金は約1100万ドル(約11億4400万円)。ヤ軍からFAの田中将大投手(32)との再契約は極めて難しくなった。

 このオフ、静かだった沈黙の帝国が一気に動いた。午前中に6年総額9000万ドル(約93億6000万円)でラメーヒューの引き留めに成功すると、午後にはレンジャーズからFAとなった右腕クルバーを1年契約の年俸1100万ドル(約11億4400万円)で獲得。2つの大型FA契約は、ヤンキースからFAとなっている田中の去就にも大きな影響を与えることになった。

 ヤ軍は、コロナ禍で緊縮財政を強いられ、総年俸を課徴金(ぜいたく税)対象となる総額2億1000万ドル(約218億4000万円)よりも低く抑える方針。米メディアによれば、この日の補強で残る資金は1100万ドル前後に。田中の相場は平均年俸1300万ドル(約13億5200万円)と予想されており、足りない計算となる。通算98勝のクルバーの加入により、先発ローテーションにもメドが立ったことで、大リーグ公式サイトは「田中との再契約への扉は閉じられたのか?」と報道。7年間プレーしたチームを離れる可能性が高くなった。

 新天地の候補はどこか。田中はこのオフのFA投手では、バウアー(前レッズ)に次ぐ2番手グループと高く評価され、ダルビッシュを補強したパドレスが獲得へ向けて調査していると13日に報じられた。エンゼルス、レッドソックス、ブルージェイズなども獲得へ興味を示してきた。

 一方でコロナ禍の影響を受け、FA市場の動きは例年以上に遅い。また、昨季60試合に短縮されたメジャーのシーズン全体の行方も見通しが立たない。田中は2日にツイッターで「今季プレーをしたいチームを限定しておらず、自分に興味を持ってくださる全ての球団の中から考えています」と伝えた。1日のラジオ番組では古巣楽天への復帰について「全然ゼロでは僕の中ではない」とも口にした。毎オフ仙台の球団事務所へあいさつを欠かさず、現在も楽天の後輩たちと自主トレに励む。米国の状況も鑑みて、国内復帰となれば楽天が最有力の選択肢となる。

 メジャーのキャンプインは2月17日(日本時間18日)で、日本は2月1日。田中に残された時間はそう多くない。決断が注目される。

 ▽ぜいたく税(課徴金) 年俸総額が一定の上限を超えた球団がペナルティーとして支払う。03年に導入された。額は超過回数が多いほど 上がる。大リーグ機構に納められた後、年俸総額の低い球団に分配される。上限は毎年変動し、21年は2億1000万ドル(約218億4000万円)。ヤンキースは18年に対象から外れたが、それ以外は毎年払っている。

 ≪有力FA投手未契約多く≫このオフのFA市場は依然として有力先発投手が多く残っている。トップランクのバウアー(前レッズ)は大型契約が予想され、ブルージェイズ、エンゼルスなど先発補強が急務のチームが狙っている。他にも、ともに19年に15勝のオドリッジ(前ツインズ)とパクストン(前ヤンキース)。ベテランのレスター(前カブス)、アリエッタ(前フィリーズ)らも契約していない。

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