【21年版・球界“新”士録(2)】ソフトBドラ5・田上 転向9カ月の伸びしろだらけ151キロ右腕

[ 2021年1月17日 08:30 ]

投手に転向してまだ9カ月。将来性あふれる田上
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 投手に転向してまだ9カ月。ソフトバンクのドラフト5位右腕・田上は、スケールの大きな将来性であふれている。09年に捕手としてベストナインを獲得した球団OB、田上秀則氏のおいっ子としても注目。わずかなチャンスをモノにして、プロの世界に飛び込んだ。

 履正社3年だった昨年4月。コロナ下の自粛期間に岡田龍生監督に「投手がやりたい」と直訴した。5月のシート打撃で147キロをマーク。DeNA4位指名の主軸・小深田のバットを曲げるなど、主力9人を完璧に抑えた。同月の練習試合で、直球は最速151キロを計測。小深田や、楽天6位となった内の視察に訪れたスカウトの目に留まった。公式戦登板もなかったが、一躍ドラフト候補になった。

 「3、4年後、お客さんから“ウワッ”と思われる球を投げたい」。入寮後には憧れるエース千賀の投球動画を中心に研究し、スケールアップを目指している。持ち球もカットボール、スライダー、チェンジアップ、ツーシームと豊富。「高3のとき、投手の仲間に聞いてスナップスローで覚えました」と急成長の裏には類いまれな器用さもあった。10日の新人合同自主トレ初日を視察した藤本博史2軍監督も「手首の使い方、フィールディングが一番うまい」と能力の高さを認めた。

 叔父と同じ背番号70を背負い、プロ生活がスタート。「母子家庭なので活躍して、母を楽にさせてやりたい」。都市伝説が大好きで中学時代にUFOと遭遇したと言い張る右腕は、ユーモアと優しさを兼ね備えて、計り知れない投手としての才能を伸ばしていく。(井上 満夫)

 ◆田上 奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日生まれ、大阪府出身の18歳。敷津浦小で軟式野球を始め、住之江中では「西成ボーイズ」で投手兼野手。履正社では1年秋から外野手でベンチ入り、2年夏に控えの中堅手で甲子園優勝を経験した。好きな言葉は「念ずれば花開く」。トマト嫌い。1メートル85、87キロ。右投げ左打ち。

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