阪神・大山 初回先制V3ランは「吉兆弾」 矢野監督「一発で初対戦のピッチャーを仕留めた」

[ 2020年8月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7―5ヤクルト ( 2020年8月22日    神宮 )

初回2死一、二塁、大山は右越え3ランを放つ(撮影・小海途 良幹)
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 巨人戦ショックは振り払った。阪神は22日のヤクルト戦に7―5で勝利した。大山悠輔内野手(25)が決勝本塁打をマーク。初回2死一、二塁で右翼席に12号3ランをブチ込んだ。

 終わってみれば僅差の勝利。あの一撃がデカかった。2試合続けて5番に座った大山が初回、先制、そして決勝点となる3ラン。2死から2四死球で生まれた一、二塁で、来日初先発・クックの失投を逃さなかった。

 「打ったのはストレート。しっかり強く打つことができました」
 1ストライクからの外角高めを仕留めて、右翼席最前列まで届かせた。出場49試合目で、8月10日のDeNA戦以来10試合ぶりの12号。143試合で14発だった昨年からの成長は明らかだ。10安打7得点した前夜の流れを引きつぐ、価値の高い一撃だった。

 「右方向に飛距離が出るということは、しっかり体が使えていて、しっかり振り切れている証拠。レフトに引っ張った打球はタイミングを外されて泳がされたような打ち方でも(スタンドに)入ることはあるけど、右方向は違うんです」

 初対戦、それもファーストスイングで、147キロに振り負けることなく逆方向へ放り込んだ。大山にとって「吉兆弾」。今季3本目となった逆方向への一発が、調子のバロメーターだからだ。

 7回に本塁打を放った敵軍の主砲・村上とアーチで“共演”した。19年3月の侍ジャパンで三塁の定位置を共にした間柄。「あの年齢で貫禄がある。本当にすごい」と最大限の敬意を払っている。

 実は6月24日の試合前練習でその村上からバットを譲り受け、数試合、使用した(この日は別のバット)。「僕なんかまだまだですよ」と謙遜するが、同世代、同リーグの和製大砲から受ける刺激は、モチベーションの1つになっている。

 チームを勢い付かせる一発に矢野監督からは「相手にダメージを与えるような得点になった」と評価され、「今年は結構右方向にホームランが出てる。一発で初対戦のピッチャーを仕留めてくれたというのは中身もあったと思う」と惜しみない賛辞を贈られた。

 きょう23日は、7月17日~19日の中日戦以来となる同一カード3連勝がかかる。「がんばります!」。気持ちを切り替えるように短い言葉に決意を込め、球場を後にした。(巻木 周平)

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2020年8月23日のニュース