「西武」内海、再出発1500K!手術乗り越え708日ぶり1軍登板、6回4失点黒星も辻監督評価

[ 2020年8月23日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2-5オリックス ( 2020年8月22日    京セラD大阪 )

<オ・西>昨年メスを入れた左腕をふるう内海(撮影・北條 貴史)
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 3日前、所沢市の球団施設から大阪に向け出発する西武・内海は、見送られた2軍ナインから激励の拍手を浴びた。通算133勝も関係ない。地道にリハビリを行い、ともに汗を流してきた仲間だ。そして上がった708日ぶりの1軍マウンド。支えてくれた全ての関係者に対する感謝の思いを白球に込めた。

 「調子は凄くよかった。立ち上がりも“いい感じ”と思ったし、2軍登板の延長で投げることができた」

 結果は6回3安打4失点(自責3)で黒星も、確かな手応えが残った。最速139キロも110キロ台のスライダーや得意のチェンジアップで緩急をつけ4回1死まで無安打投球。「反省しきれない」と悔やんだ失投はジョーンズへの2球だ。4回、6回にともに初球の変化球を左翼席に運ばれた。それでも6回2死で杉本をスライダーで見逃し三振に斬り、通算1500奪三振も達成。左腕が本来の居場所に帰ってきた。

 18年オフに炭谷の人的補償で移籍したが、昨季は左腕の負傷で1軍登板なし。10月には左前腕筋腱を修復手術を受けた。巻き返しを目指す移籍2年目も、なかなか出番が巡ってこない。それでも腐ることなく、7月以降は2軍戦で3連勝を飾り、1軍切符をつかんだ。粘りの投球を見せた38歳について、辻監督も「思ったよりいけた。次の登板も考えないと」と再び先発起用する可能性を示唆した。

 「しんどいことも思い出して試合前は緊張があった」という内海は「もう一度チャンスをもらったら、この登板を生かしたい」と言葉に力を込める。プライドをかなぐり捨てて投じた92球。誰もが復活を予感したはずだ。(大木 穂高)

《内海[西武]初登板まで》

 ▼18年12月20日 国内FAを宣言し巨人に入団した炭谷の人的補償で西武への移籍が発表される。
 ▼19年3月4日 都内の病院で「左浅指屈筋の軽い肉離れ」と診断され開幕絶望。
 ▼同4月17日 イースタン・リーグのヤクルト戦に中継ぎで移籍後初登板して3回2安打無失点も患部の張りが続き2軍調整が続く。
 ▼同9月24日 イースタン・リーグの日本ハム戦で同リーグ最終登板。先発で6回8安打5失点。同年は2軍で7試合で0勝2敗、防御率9.45。
 ▼同10月10日 フェニックスリーグ広島戦で同年最後の先発登板。その後に左腕の痛みが再発。
 ▼同10月24日 都内で左前腕筋腱の修復手術を受ける。
 ▼20年2月1日 キャンプは高知県春野のB班(2軍)でスタート。
 ▼同3月19日 2軍練習試合・DeNA戦で復帰登板。6回の1イニングを無安打無失点。
 ▼同8月9日 イースタン・リーグ、ヤクルト戦で6回4安打1失点で3勝目。

 ▽内海(西武)通算1500奪三振 22日のオリックス11回戦(京セラドーム大阪)の6回に杉本から見逃し三振を奪って達成。プロ野球56人目。初奪三振は巨人時代の04年5月25日の広島戦で栗原から。

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