阪神・西勇　4勝目は梅野のおかげ?「状態はすごく悪くて…キャッチャーに感謝したいですね」

セ・リーグ   阪神7―5ヤクルト （ 2020年8月22日    神宮 ）

4回2死二塁、近本の適時三塁打で生還した西勇輝はナインとエアタッチをかわす（撮影・大森　寛明）
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　謙遜なのか、本心なのか。試合はもつれても、阪神・西勇の快投は色あせない。22日のヤクルト戦。それでも、ヒーローインタビューでは驚きの告白で神宮の虎党をざわつかせた。

　「状態は本当にすごく悪くて。梅野のリードがあっての結果だと思いますんで、キャッチャーに感謝したいですね、はい」

　もちろん、本人しか分からない感覚はあるが、立ち上がりから全く危なげなかった。初回に幸先良く味方が3点先制。試合前時点で防御率2・42だった右腕には十分な援護をもらった。先頭の坂口を左飛に打ち取り、山田には中前打されたが、青木を左飛、村上はチェンジアップの連投で3球三振。6回までに許した安打は山田の1本だけと、すいすいとアウトを積み重ねた…ように見えた。改めてどこが悪かったのかを問われると、勝負の世界に生きるプロらしく口をつぐんだ。

　「言わなくていいのかなと。相手に情報を教えることになるんで。細かいことを言ってもわからないだろうし説明するのが難しい。自分でしかわからないし、受けている捕手にしかわからない」

　微妙な制球のズレなのか、球の走りの問題か…。真相はやぶの中ながら、その状態でも見事に試合をつくった。7―0の7回1死から村上に特大の右越えソロを打たれても、下手に走者をためるよりはダメージは軽い。8回に代打を送られ7回3安打1失点、今季初の2戦連続での4勝目を飾った。神宮では通算4戦3勝で無敗を続けている。

　「明日（23日先発）の秋山にいいバトンを渡せたんじゃないかなと思います。この状態でこういう投球ができたんで、引き出しは増えたかなと」

　3―0の4回2死一塁の打席では自ら右中間へ適時二塁打。投打での活躍に矢野監督は「しっかり7回まで西らしく投げてくれたのはいつも通り。打撃もすごく大きかった」と最敬礼だった。（山添　晴治）