日本ハム・中田「完璧」ソロでセパ最速20号!大杉勝男氏に並んだ8度目到達「札幌で入ればどこでも入る」

[ 2020年8月23日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―1楽天 ( 2020年8月22日    札幌D )

<日・楽>5回2死、20号ソロ本塁打を放つ中田(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの中田翔内野手(31)が22日、楽天戦の5回に自身3年連続、今季両リーグで最速の20号アーチ。通算8度目は小笠原(現ヘッド兼打撃コーチ)を超え、大杉と並ぶ球団歴代2位タイに浮上した。これで札幌ドームで一発を放った8試合は7勝1分けと不敗で、チームは勝率5割に復帰。通算13度の20本塁打の球団記録を保持するスポニチ評論家の張本勲氏(80)も進化に太鼓判を押した。

 昨季の札幌ドームで1試合の平均本塁打数は1・2本。これはパ・リーグ本拠で最少だ。最も本塁打が出づらい広い球場の最深部である右中間席に向け、高い弧を描く滞空時間5秒の一発。中田の両リーグ最速となる20号は鮮やかな「ムーンショット」だった。

 「完璧やな。感じは今年一番良かった。今日の本塁打は感触、スイングの形は理想に近い。札幌ドームで逆方向に打てたのは凄くうれしかった。札幌ドームで入ればどこでも入るので自分の中で価値のある本塁打だった」

 初回に自身の2点二塁打などで3点を先制。自画自賛の一発は5回だ。カウント2―1から左腕・塩見の低めのフォークを強振。「月に向かって打て」で開眼した大杉勝男に並ぶ球団2位タイの8度目の20号は、偉大な大先輩を思わせる放物線を描いた。今季は試合前のフリー打撃で右方向への打球を意識。「練習のような感じで打てた」とうなずいた。

 12球団一番乗りの節目の一発。本塁打量産の要因は昨オフのトレーニングメニューの変更にある。これまではベンチプレスやスクワットなどで一つの箇所を鍛えていたが、昨オフから垂直に立った状態でバーベルを腰の位置から肩まで一気に引き上げるクリーンと呼ばれる、瞬発力の種目を導入。「メニューを大幅に(瞬発系中心に)変えて不安な面も正直あった」と吐露するが、シーズン中も週2回程度行い「瞬発的な出力を出せるようになった。変えて良かった」と効果を実感する。

 次なる壁は同郷・広島の大先輩でもある張本勲氏が持つ13度。「あと5年も(現役として)残してもらえるか分からない」と笑わせつつ、「(13度は)さすが。コツコツと頑張っていけたら」と記録更新に意欲も示した。

 過去2度の打点王に輝いたが、本塁打は15年の30発が自己最多でタイトルとは無縁。コロナ禍で試合数が143から120に減ったにもかかわらず、これで43・6発ペースだ。本塁打、打点の2部門で争う楽天・浅村を直接対決で突き放した。

 「他の球場がうらやましい。今まで何本の本塁打を損しているんやと考えたら悲しい」と中田。バットと同様、トークも絶好調だ。(東尾 洋樹)

 ○…中田(日)が15年以来自身2度目の両リーグ20号一番乗り。日本ハムの両リーグ20号一番乗りは他に52年深見、69年大杉、80年ソレイタといたが1人で2度は中田が球団史上初めてだ。また、シーズン20本塁打は3年連続通算8度目。チームでは張本13度に次ぎ大杉と並ぶ2位タイに浮上した。

 ○…打点もリーグ1位の64打点。7月に自己最多タイの28打点を挙げたが今月は既に27打点。月間最多打点は50年5月の小鶴(松竹)が記録した39。パでは94年7月ブライアント、98年8月クラーク(ともに近鉄)の35。今月残り7試合でどこまで伸ばすか。

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