【20年版球界新士録(9)】阪神ドラ6 小川一平投手 多難乗り越えたタフネス 投げる姿で「恩返し」

[ 2020年1月23日 08:00 ]

阪神のドラフト6位・小川一平
Photo By スポニチ

 幾多の困難を乗り越えてきた精神力が、最速149キロ右腕・小川の最大の武器だ。小中高時代は全国大会への出場経験はなし。「高校を出たら就職だと思っていた」ところ、東海大九州の南部正信監督から「九州で145キロ出せば目立てる」と誘いを受け、進学を決めた。

 入学してすぐの16年4月、震度7を計測した熊本地震で被災。阿蘇キャンパスのグラウンドや寮は大きな被害に遭い「自分が住んでいたところも、練習していた場所もなくなった。目の前に住んでいた方も亡くなられた」。2カ月近くの帰省を余儀なくされ、チームも九州地区大学野球リーグ出場を辞退した。

 困難を乗り越え、入学時の最速138キロから10キロアップした2年時の12月には、大学日本代表候補の強化合宿メンバーに。これをきっかけにプロ入りを考え始めたが、慢性的な腰痛に苦しみ3年時は目立った結果を残せず。万全を期した4年春は、部員の飲酒、暴力行為によって在学中2度目のリーグ戦辞退に追い込まれた。苦難は重なってもプロを諦めることはなかった。

 照準を定めて挑んだ秋季リーグ開幕戦・崇城大との試合で9回を2失点に抑えて完投勝利。熊本地区予選で敢闘賞に輝くなど評価を高め、ドラフト指名をつかみ取った。

 「自分が頑張れば、勇気づけられる人も一人はいると思う。1試合でも早く1軍で投げて恩返しすることができれば」

 熊本でお世話になった人たちへの感謝の思いも背負い、名を上げる活躍を目指す。 (阪井 日向)

 ◆小川 一平(おがわ・いっぺい)1997年(平9)6月3日生まれ、神奈川県出身の22歳。小2から野球を始める。横須賀工では2年秋からエースも甲子園出場なし。東海大九州キャンパスでは2年春からリーグ戦に登板し全日本選手権出場。最速149キロにカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを織り交ぜる。1メートル82、80キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2020年1月23日のニュース