松坂、14年ぶり西武復帰でリベンジ再び!「期待されていないのを覆したい」

[ 2019年12月12日 05:30 ]

背番号16を披露する松坂(撮影・尾崎 有希)
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 西武に14年ぶりに復帰する松坂大輔投手(39)が11日、都内のホテルで入団会見を行った。年俸3000万円の1年契約で、背番号は16。古巣のユニホームに袖を通して誓ったのは「リベンジ」だ。今季未勝利からの復活を目指し、残り30勝に迫る日米通算200勝達成への強いこだわりも明かした。「平成の怪物」と呼ばれた右腕が、古巣で完全燃焼する。

 「リベンジ」という言葉で注目を浴びたのは、ちょうど20年前のことだ。14年ぶりの古巣復帰。入団会見に臨んだ松坂は笑みがあふれ「家に帰ってきた感覚」と言った。ただ、目には不屈の魂が宿っていた。「平成の怪物」と呼ばれた39歳が再出発で誓ったのは、雪辱に燃える思いだ。

 「期待していない方のほうが多いと思うけど、それを少しでも覆せるように、やっていきたい」

 入団会見に合わせて「ちょっと考えた」とチームカラーの「レジェンドブルー」にちなんだ濃紺のネクタイを選んだ。イタリアの最高峰ブランド「ブリオーニ」製。06年オフのメジャー移籍以来となる古巣への感謝を込めた。「その気持ちを、燃え尽きて辞める時まで持ち続けてやっていきたい。やっぱり最後はここなのかなと、今は思っている」と西武愛をにじませた。

 自身の置かれている立場も忘れていない。今季は右肩故障の影響で2試合しか投げられず、未勝利に終わった。西武のチーム防御率4・35は今季リーグワースト。若手の指導役も期待されるが「それがメインだとは思っていない。今の僕に人のことを考える余裕はないし、できることを必死にやるしかない」と語気を強めた。

 日米通算200勝への強いこだわりもみせた。残り30勝で「ここ数年を考えると近くもない。ただ(現役生活の)終わりがだんだんと近づいている中で、達成したいという気持ちが強くなってきているのは確か」と心境を明かした。15年の国内復帰以降は故障に苦しみ、5年間で6勝しか挙げておらず「無理だという人が多いとは思う。諦めることはしたくない。最後まで諦めずに200という数字を目指したい」と決意を口にした。

 拠点のある米国から一時帰国して臨んだ入団会見。今後は一度、米国へ戻り、来年1月は国内で自主トレを行う予定だ。2月のキャンプは1軍でスタートし、東京五輪の影響で例年より1週間早い3月20日の開幕を見据える。「開幕も早いし、頭に入れながら肩をつくっていく。去年の今の時期と比べても今年の方が投げている」。古巣で迎える現役生活の最終章。松坂はまだ燃え尽きてはいない。 (春川 英樹)

 ◆松坂とリベンジ プロ1年目だった99年4月21日のロッテ戦で松坂は黒木知宏と投げ合い、0―2で敗れた際「次はリベンジします」と宣言。6日後の27日のロッテ戦で再び黒木と投げ合い、3安打10奪三振で完封して雪辱を果たした。1年目は16勝5敗、防御率2.60で、最多勝と新人王をダブル受賞。同年の新語・流行語大賞に巨人・上原浩治の「雑草魂」、小渕恵三首相の「ブッチホン」とともに選ばれた。

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