侍J稲葉監督インタビュー(1)日米野球へ選考コンセプトは「五輪見据えた」

[ 2018年10月11日 19:00 ]

若手は日米野球で何かを得てほしいと語る侍ジャパン・稲葉監督(撮影・西川 祐介)
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 11月に開催される「2018 日米野球」(9〜15日・東京ドームなど)に出場する侍ジャパンの稲葉篤紀監督(46)がスポニチ本紙のインタビューに答えた。4年ぶりの世界最強軍団との決戦へ、目標は全勝優勝と宣言。就任来掲げる勝利至上を強調した。2年後の東京五輪を見据えた実験も兼ねた中で、まず勝利を求めることこそ金メダルへの近道と説いた。(取材・後藤 茂樹)

 ――今回の侍ジャパン28選手選考のコンセプトは?

 「基本的にはオリンピックを見据えて、というところです。その中である程度経験のある選手も入れて。ジャパンとはこういうものだよ、と伝えていってほしい選手を入れた。あとは若い選手で、この日の丸を背負って戦うことを経験してもらい、オリンピックに向けてステップアップしてほしい選手も入れて。経験ある選手と若い選手の融合チームとして入れました。6試合あるので、ある程度元気な選手といいますかね。シーズン中にケガしている選手など、そういう選手はなるべく休んでいただこうと。そういう中でメンバーを選考致しました」

 ――シーズン中のケガというところでいうと、巨人・坂本を選ばなかったのもそのあたりを考慮して?

 「まあ、そうですね。メンバーに入っている選手でも、シーズン中にケガした選手もいるのですが。これは凄くコーチの方たちと悩んで。メンバーはしっかりバランスを整えていかなくてはいけない。シーズン中、成績を残したばかりの選手を集めてもダメですし。そのあたりは凄くコーチの方たちも悩み抜いて、メンバーを決めました」

 ――野手はユーティリティー性を大事にされている。今回もチームとは違うポジションを試す部分は?

 「全くやっていないというポジションを試そうとは思っていません。少しでもやったことあるのであれば、試そうかなと思っています」

 ――西武の森は捕手であり、過去には外野も守っているが?

 「森君に関しては今年捕手としてもの凄く成長を感じました。リード面でも、投手陣を頑張ってリードしているなとは感じられました。捕手としてと考えています」

 ――会沢を含めて打てる捕手が2人選ばれている。

 「当然捕手も打てた方が良いので。打撃も一つ大事なことになってくる。今年は森選手も会沢選手も非常に打撃がいいですし。リード面でも、両チームを優勝に導いた捕手なので。メンバーに選びました」

 ――筒香、山川、岡本と所属チームで4番を打つ選手がそろう。4番は誰が打つのか。現時点での構想は?

 「難しいですね。凄く悩んでいるところではあります。正直言いまして。打順も考えた時に、打てる選手ばかり並んでも、全く動けないですし。どうするのが一番チームとして機能するのかなというところを、まだ考えている途中です。当然一番経験があり、筒香選手はジャパンの4番もずっと打ってきましたから。当然筒香選手を基本線には考えていますけれども。ですが、山川選手がじゃあ4番に入った時にどうなのか。岡本選手が4番に入った時にどうなのか。いろんなことを考えながら決めていきたいなと思っています」

 ――山川と岡本は今季の活躍を見てどのように評価しているか?

 「山川選手は昨年の11月も一緒にやらせていただいて。今年に懸ける意気込みというのは凄く感じていた。シーズンで活躍しないとジャパンには選ばれない、という彼の考え方というのはしっかりしていて。それを見事に結果を残したというところで、私は彼のプレースタイルは評価したいなと思っています。あと岡本選手に関しては、ジャイアンツという非常に人気があり、回りから期待もされている中で4番を務めて、これだけの成績を残しましたので。前から長打力は非常にあると見ていましたけれども、今年に限っては本当に成績もしっかり残しました。また彼は途中からサードを守ったので。今本当にサードというポジションは、ジャパンの中でもこれから探していこうというところではありますので。岡本選手をサードにしてという考えを今は持っています」

 ――山川を含め5選手が昨年11月のU―24侍ジャパンのチームから戻ってきた。日の丸を経験して、彼らの今年の成長はどう映っていたか?

 「昨年11月に一緒にやってから、特に外崎選手は本当に成長してくれた。このジャパンを経験してかどうかは分からないですけど、非常に頼もしく見ていました。彼はいろいろなポジションを守れますし、非常にガッツマンでもある。これからも楽しみな選手」

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