巨人・山口オーナー 原氏は“全権監督” 編成面でも期待「フロントとチームが一体で」

[ 2018年10月11日 06:29 ]

巨人の次期監督就任要請に受諾の意向を示した原氏(撮影・吉田 剛)
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 巨人は10日、次期監督候補として 一本化していた原辰徳氏(60)に都内の球団事務所で正式に就任を要請し、同氏は受諾する意向を示した。15年以来の復帰。ブランクを空けて3度開幕から指揮を執る、球団初の監督となる。山口寿一オーナー(61)は原氏の編成部門での手腕にも期待しており、事実上の「全権監督」となりそうだ。今季全日程終了後、就任会見を開く。

 会談を終えた山口オーナーは、都内の球団事務所で報道陣の取材に対応。「原さんに会いまして、来季の監督を要請しました。(チームは)難しい状況にある。実績、経験と豊富な原さんに託した。だいたい(就任の)方向は固まったと思っています」と明かした。

 原氏も帰り際に言葉を残した。「今日のお話の中で“前向きに考えます”ということは申し上げます」。13日からクライマックスシリーズを控えるチームに配慮し、多くは語らなかったが、3度目の監督就任を受け入れる。託されるのは4年連続で優勝を逃したチームの立て直しだ。

 原氏に求められる役割は「監督業」だけにとどまらない。「フロントとチームが一体となっての立て直しが必要。そうした役割を期待している」と山口オーナー。過去2度とは異なり、今回はもう一つ、編成部門でもらつ腕を振るうことになる。

 山口オーナーは高橋監督が今季限りで退くことを明らかにした3日、フロント部門の見直しを示唆。陣容も一新する可能性が高く、すでに鹿取義隆GM(61)の解任は確実となっている。FAや外国人の補強だけでなく、ここ数年はドラフト戦略でも他球団に大きく後手に回った。今年のドラフト1位ルーキー・鍬原も6試合登板で1勝2敗、防御率6・83とチームに貢献できなかった。

 原氏は現在は「球団特別顧問」の職にあり、25日のドラフト会議にも、その肩書のままで参加する予定だ。「来季のスタートがドラフトかな、と僕はいつも感じています。非常に大事なもの」と原氏。直前に開かれるスカウト会議にも参加し、提言する可能性が高い。1位入札が競合した場合は、クジ引きを担うことにもなりそうだ。

 任期は最低でも2年。時間をかけ、チームを再構築する。腹案は「(就任会見の)その時でいいんじゃないでしょうか」と、この日はしまったままにした。 (川手 達矢)

 ▽原監督とドラフト 原監督はドラフト1位の抽選に外れも含めると7度参加している。初めての抽選は01年の寺原(日南学園)で、当たりはダイエー・王監督が引いた。原監督が当てたのは08年の大田(東海大相模)だけで通算1勝6敗、勝率.143。11年には菅野(東海大)を巡り日本ハムと競合したが、おいということもありクジには参加しなかった。また、原監督時代に入団し新人王を獲得したのは09年1位の長野(Honda)と10年1位の沢村(中大)。2人は単独指名だった。

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