常葉大菊川 ノーヒットで決勝点は準V10年前の再現 指揮官キッパリ「ノーサイン」

[ 2018年8月7日 18:47 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会1回戦   常葉大菊川8―7益田東 ( 2018年8月7日    甲子園 )

<常葉大菊川・益田東>8回裏(常)1死二塁、二塁走者・神谷の三盗で、捕手・中山(左)は三塁に送球するも悪送球で勝ち越しを許す(撮影・椎名 航)
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 常葉大菊川(静岡)の高橋利和監督(32)は指揮官として初の甲子園で初采配初勝利。自身がエース兼主将として出場した04年センバツで果たせなかった甲子園1勝を手にした。

 5点リードを1度はひっくり返されたが、6―7で迎えた8回に9番・神谷の右中間二塁打で7―7の同点。続く1番・奈良間の時に神谷が三塁盗塁をしかけ、これが捕手の三塁悪送球を誘って一気に決勝点が入った。

 「最初から競るゲーム展開になるんじゃないかなと思っていたんですけれども、何とか勝てたので良かったと思っております」と丁寧に答えた高橋監督。「ノーサイン」が信条で打撃や盗塁のサインは一切出さないが、決勝点となった神谷の盗塁も「本当に彼の判断で走っていますので、いったん躊躇したんですけれども、それをすかさずもう1度トライしていましたので、その結果、相手が慌ててくれたかなあと思います」と静かに振り返った。

 試合を通じた選手たちの判断について聞かれると「本当に本人たちが一生懸命やっておりますので、支えになるような言葉をかけてあげればいいかなと思ってます」とし、「菊川らしい伝統の走塁が、今回はヒットを打たずとも決勝点になっていますので、10年前の福知山成美の時と同じような攻撃でできたかなと思ってます」と準優勝した2008年夏の初戦・福知山成美(京都)戦で自慢の打線が3安打に抑えられながら積極的な走塁で勝利を収めた試合を引き合いにコメント。

 10年前は1点を先制された直後の8回、2死一、三塁から一塁走者の二塁盗塁が捕手の悪送球を誘って同点とし、一気に逆転して2―1で勝利している。指揮官の言葉通り、その再現のような積極走塁が実っての初戦勝利だった。

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2018年8月7日のニュース