高知商、超乱打戦制す!3度逆転 史上21度目両軍2桁得点

[ 2018年8月7日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第2日・1回戦   高知商14―12山梨学院 ( 2018年8月6日    甲子園 )

7回1死満塁、勝ち越しの2点適時打を放ち、ガッツポーズの高知商・西村(撮影・北條 貴史)
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 16安打14得点。夏の甲子園では史上21度目の両軍2桁得点試合を3度逆転して勝利した高知商の上田修身監督は「凄かった。ここまでやってくれるとは」と言葉を詰まらせた。

 6点リードの5回に大量8点を奪われ、大逆転された。それでも7―10の6回に1点差に迫ると、3回に今大会1号の2ランを放っていた4番・藤高が「点を取られても、それはよくある」と打席での集中力を発揮して右前2点打。さらに、11―12とされた直後の7回にも1死からの5連打で3度目の逆転に成功。決勝の左前打を放った西村は「俺が絶対に決めると思っていた」。ヤクルト・山田哲に憧れる1年生。3安打3打点3得点の“トリプルスリー”で勝利の原動力となった。

 三塁コーチスボックスに立つ背番号10の山中主将が不屈の野球の象徴だ。先天性四肢障がいのため生まれつき右手の指は2本しかないが、大リーグで活躍した隻腕投手のジム・アボットを参考に実力を磨いた。左手で捕球し、グラブを右脇に挟み、左手に握り替える技術を確立。中学2年時には一塁手で高知県選抜にも選出された山中は何度も全力で腕を回し「つらい時もあったが、勝ったら全てが報われる」と笑った。

 創部100周年の節目で臨む100回記念大会。上田監督は「100、100で絶対におまえらは運を持っている。その追い風に乗っていこうと言ってきた」。確かな勢いを手にした。 (桜井 克也)

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2018年8月7日のニュース