史上初タイブレーク!“新時代の名勝負”佐久長聖が執念勝ち

[ 2018年8月7日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第2日・1回戦   佐久長聖5―4旭川大高 ( 2018年8月6日    甲子園 )

試合に勝利し、笑顔の佐久長聖ナイン(撮影・近藤 大暉)
Photo By スポニチ

 全国高校野球選手権は6日、1回戦4試合が行われた。第4試合では、甲子園大会では春夏通じて初めてタイブレークに突入。佐久長聖(長野)は4―4で迎えた延長14回に1点を勝ち越して、旭川大高(北北海道)を5―4で振り切った。長野県勢通算60勝目は100回目を迎えた甲子園で、新たな歴史を刻む1勝となった。

 夕闇が落ちつつある聖地に長野県勢60度目の凱歌が響く。カクテル光線に照らされ、藤原弘介監督は「とにかく選手が粘り抜いてくれた」と称えた。

 9回に追いつかれ延長へ。12回まで両軍譲らず、春夏通じて甲子園で初のタイブレークに突入した。無死一、二塁からスタートする13回も両軍無得点に終わった。14回、先頭の真銅はセオリー通り三塁前へ送りバント。「切れるかもしれない」と焦ったゴロは三塁手に見送られたが、荒れた走路でフェアゾーンへ戻り内野安打に。無死満塁から二ゴロの間に勝ち越した。その裏を抑え、3時間7分の熱戦が決着した。

 佐久長聖は3年前の春季大会で、長野商とのタイブレークを経験し、サヨナラ勝ちしていた。この日はじゃんけんに負けて先攻。「タイブレークの練習はしていません。ただケース打撃などで無死一、二塁の想定はやっている」と藤原監督。13回は2安打していた先頭の斎藤に代え、ピンチバンターとして大池を送った。大池は失敗したが、状況に応じた動きを指示し続けた。

 甲子園はこの日も午後3時に最高気温35度と酷暑は続く。健康面に配慮し設けられた新制度。選手は「ルールで決められたこと。何より勝ててうれしい」と口をそろえた。

 どんな形でも1勝は1勝。ファウルを覚悟したバントがフェアとなり「野球の神様がついている」と選手たちを鼓舞したという藤原監督は「うちはもう、なるべく(タイブレークは)しない方向でいきたい」と難しい現場を預かる立場の本音も口にした。 (後藤 茂樹)

続きを表示

この記事のフォト

2018年8月7日のニュース