定岡正二氏、緊張のレジェンド始球式「44年ぶりに幸せでした」

[ 2018年8月7日 08:02 ]

<高岡商・佐賀商>始球式を務めた定岡氏(撮影・近藤 大暉)
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 第100回全国高校野球選手権大会第3日は7日、甲子園球場で1回戦が行われ、第1試合の高岡商(富山)―佐賀商(佐賀)の試合前に、鹿児島実OBでプロ野球巨人で活躍した定岡正二氏(61)が「レジェンド始球式」に登板した。

 定岡氏は緊張の面持ちでマウンドに上がり一礼。現役時代と変わらぬフォームからノーバウンド投球を披露した。

 「緊張した」という大役。「光栄なこと。プロでは投げたことがあるけど、44年ぶりに幸せでした。軽く投げようかと思ったけど、打者も捕手の選手もいるし、力入っちゃいますよね」と笑顔で振り返った。

 100回目を迎えた夏の高校野球。前日6日の佐久長聖(長野)―旭川大高(北北海道)は延長12回で決着がつかず、初のタイブレークが実施された。「時代によって、変えちゃいけないもの、変えていいものがある。 選手のためには僕はよかったと思います」と定岡氏。母校はあす8日に登場するが「甲子園は特別な場所。ここに出ると身近に感じる。自分たちでもできるという感覚を持つ。 勝ってほしいけれど、今まで暑い中で猛練習してきた。 力一杯、悔いのない青春を一瞬にぶつけてほしい」と後輩たちにエールを送った。

 定岡氏は鹿児島実で2年連続で夏の甲子園に出場。3年生だった1974年の第56回大会準々決勝では、のちに巨人でチームメートとなる原辰徳氏(60)の東海大相模と対戦し、エースとして延長15回、213球を投げ抜いて鹿児島県勢初のベスト4進出へと導いた。しかし翌日の防府商戦では3回の走塁で右手首を負傷し、途中降板。チームは1―2でサヨナラ負けを喫し、決勝進出を逃した。定岡氏はその実力と甘いマスクで一躍甲子園のヒーローとなり、同年のドラフトで巨人から1位指名。82年に15勝を挙げるなど先発三本柱の一角として活躍した。

 100回大会を記念して行われる「甲子園レジェンド始球式」には、初日の松井秀喜氏(44)を皮切りに夏の甲子園で活躍した18人のレジェンドが毎日登場。20日の準決勝ではPL学園(大阪)で夏2度の優勝を果たした桑田真澄氏(50)と、日米球界で活躍した「大魔神」佐々木主浩氏(50=宮城・東北出身)が登板する。決勝戦では、1969年夏の決勝戦で、延長18回引き分け再試合の死闘を演じた三沢(青森)の太田幸司氏(66)と松山商(愛媛)の井上明氏(67)がダブル登板する。

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