【西東京】日大三 152キロ腕勝又対策は“見逃し”「変化球狙い」

[ 2018年7月31日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会西東京大会決勝   日大三5―3日大鶴ケ丘 ( 2018年7月30日    神宮 )

<日大鶴ケ丘・日大三>9回1死一塁、日大三・大塚はサヨナラ2ランを放ちガッツポーズ(撮影・西尾 大助)
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 一塁を蹴る。日大三・大塚は「芯に当たって、打った瞬間入ったと分かった」という。それでも、実際に打球が左翼席に飛び込むのを見ると、興奮が湧き上がった。ぴょんと跳ねた。拳を突き上げてベースを一周した。

 「人生初」というサヨナラ本塁打で5年ぶり17度目の優勝を決めた。応援に訪れた父・晃さん(50)は息子の性格を「淡々としていて、何かに燃えるタイプじゃない」と語る。確かにインタビューの受け答えは静かだった。打った直後の歓喜とのギャップが凄かった。

 「凄くうれしい。4番の意地を見せられた」

 日大鶴ケ丘との「日大対決」。リードを2度追いつかれて、3―3で9回を迎えた。相手投手はプロ注目の勝又。無死一塁で空振り三振した3番・日置から耳打ちされた。「任せたぞ」――。2球目、高めに甘く入った131キロのカットボールに素直にバットが出た。「後ろにつなごうと思った」。後ろの力を借りる必要のない、最高の結果になった。

 台風の影響で決勝が当初予定の28日から延期され、最速152キロの勝又対策に時間を割けた。過去3試合分のビデオを見るとともに、マシンで145キロの球を見逃す練習をした。「高めの真っすぐは振らない。変化球を狙っていこう、と」。初回にこの日最速の151キロを見せられても動じず、5回に左翼へ適時二塁打を放つと、最後も描いた通りの攻略法で勝又を砕いた。

 「宣誓の言葉通りできてよかった」。1日の開会式で主将の日置が行った「どんなにつらいときも、諦めない気持ちで熱い夏にすることを誓います」という選手宣誓を、大塚は忘れていなかった。3、4回戦、準々決勝、準決勝が逆転勝ち。続いた苦戦を思いだし、61歳の小倉全由(まさよし)監督は「この年になって涙が出るのは恥ずかしい」と声をつまらせ、何度も顔をタオルで拭った。

 今センバツは2回戦で三重に0―8大敗。大塚は無安打だった。「今度はしっかりやっていきたい」。強打・三高の4番の言葉は静かでも、力強かった。 (武本 万里絵)

 ▼日大三・日置(初回に2戦連発の先制2ラン。高校通算21号)この夏は苦しい試合が続いたけど、粘り強く戦えた。

 ▼DeNA・桜井(17年度卒、神宮で観戦)監督さんを日本一にしてほしいです。

 ≪78年ぶり2度目≫東京大会でサヨナラで優勝が決まったのは16年東東京の関東第一4―3東亜学園以来9度目で、西東京では14年の日大鶴ケ丘2―1東海大菅生以来。日大三にとっては日大三中時代の1940年に豊島師範を5―4で破って以来、78年ぶり2度目となった。

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