阪神 糸井獲り!FA権行使なら速攻アタックへ 出血覚悟の大型補強

[ 2016年10月3日 05:30 ]

オリックスの糸井

 いざ、本腰を入れる。阪神が、国内フリーエージェント(FA)権を保有しているオリックス・糸井嘉男外野手(35)が権利行使した場合、獲得に動く方針を固めていることが2日、分かった。すでにシーズン中から調査を進め、動向を探っていた。1日には糸井本人も権利行使の意向を示唆しており、FA宣言のあかつきには即座にアタックする構え。金本阪神2年目の巻き返しへ、戦闘態勢を整えていく。

 1日の今季最終戦で金本監督が「巻き返す年、見返す年」と位置づけた来季へ向け、現状のチームに欠けているピースの補強方針が固まった。ターゲットは今季、打率・306、17本塁打、70打点の成績を残した打棒に加え、リーグトップタイで53盗塁の機動力、球界屈指の守備力を誇ったオリックス・糸井だ。球団関係者は「権利を行使した場合に備えて、調査は進めています」と話した。FA宣言したあかつきには、速攻アタックする準備を整えているもようだ。

 今季、4年ぶりのBクラスとなる4位に低迷した金本阪神。チーム防御率3・38はリーグ2位と投手陣は奮闘した。その一方で、チーム打率・245、59盗塁はともにリーグワースト。低迷の原因は明らかに攻撃面に求められる。リーグ優勝、日本一を狙うには打力アップが不可欠。そこでチーム打率、盗塁数の向上に直結する選手として、糸井に熱視線を送っているというわけだ。

 来季で36歳を迎えるものの、スピード感あふれるプレーと鍛え上げられた肉体に衰えは見られない。その点は、金本監督の現役時代に通じるものがある。指揮官もFA権を行使して35歳シーズンの03年から阪神に加入。その後、10年間にわたって主軸に座り続けた。来季の糸井と同じ36歳シーズンには打率・317、34本塁打、113打点。さらに翌37歳シーズンには打率・327、40本塁打、125打点と打撃3部門で自己最高成績を残している。最近では、福留も36歳シーズンから阪神に加入。38歳シーズンに20本塁打を放ち、39歳を迎えた今季も10年ぶりの打率3割を突破した。糸井に関しても年齢を度外視し、実績を重視。高山、北條、原口ら台頭しつつある若手の成長を促すためにも、福留とともに主力を張れる糸井を打線に加えたいところだ。

 本人の意向も、猛虎にとっては追い風だ。1日にシーズン全日程を戦い終えた糸井は「(権利行使のチャンスは)最初で最後だと思う」と、FA権を行使する意向を示唆した。阪神の交渉が解禁となるのは日本シリーズ終了翌日以降にFA宣言した場合のみで、最短でも11月9日以降。オリックスの後手に回ることは必至ながら、交渉のテーブルに着くことさえ出来れば、口説き落とす準備はある。糸井はBランク選手であるため、獲得に成功した場合には人的補償プラス今季年俸の40%か、今季年俸の60%に当たる補償金が発生。それでも阪神は出血覚悟で、大型補強を画策する。

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