岩隈 号泣終戦…背信4回途中5失点KO「気合が空回りした」

[ 2016年10月3日 05:30 ]

<マリナーズ・アスレチックス>5失点で降板しベンチで肩を落とす岩隈(AP)

ア・リーグ マリナーズ8―9アスレチックス

(10月1日 シアトル)
 マリナーズのポストシーズン進出の可能性が1日(日本時間2日)、完全消滅した。アスレチックス戦に先発した岩隈久志投手(35)は3回2/3を9安打5失点でKO。試合は点の取り合いとなり、延長10回の末に競り負けた。大一番を託された岩隈は2点の先制をもらいながら逆転を許し、悔し涙を流した。「1番・左翼」で出場した青木宣親外野手(34)は5打数2安打1打点1得点と奮闘したが、あと一歩及ばなかった。

 シーズン終了まであと1試合というところで無念の終戦。背信のマウンドとなってしまった岩隈は悔しさを吐き出した。

 「気合が空回りして、力んでしまって真ん中にボールが集まってしまった。チームに申し訳ない気持ちです」

 味方が2点を先制して迎えた3回に一気に崩れた。先頭から3連打で1点差に迫られ、1死後に連続長打を浴びてこの回4失点と逆転された。今季4戦4勝と相性の良かったアスレチックスに「絶対に勝つ、とマウンドに上がった」とみなぎらせた闘志が力みにつながり、集中打を許した。

 続く4回も2死から適時打を浴び、3回2/3を5失点で降板した。打線は何度も食らい付いたが、延長10回に力尽きた。ワイルドカードにも届かず、メジャーワーストとなる15年連続でポストシーズン進出を逃した。

 岩隈は今季チームで唯一、先発ローテーションを守り、自己最多16勝を挙げた。シーズンを振り返る質問になると感情を抑えられず、涙を止めることができなかった。「ローテーションをしっかり守る。そこを大きな目標に投げてきた。凄く悔しいシーズンでもあるし、自分の中ではケガなくやれたという思いもある」。199イニングを投げ、出来高は満額をクリア。契約金も含めれば、今季1350万ドル(約13億6400万円)が保証された。来季の契約自動更新条件の規定投球回(162回)も大きく上回った。スコット・サービス監督は「今日のクマはシャープではなかったが、クマの活躍がなければこの場所にさえいなかった」と穏やかにねぎらった。

 「この悔しさをバネにまた一つ大きく、しっかり鍛え直して成長できればと思います」。最後は懸命に前を向いた岩隈。1年後この悔し涙を、うれし涙に変えてみせる。(シアトル・小林 由加通信員)

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