オコエ 伝説キャッチチャンス?コボスタに日本一低い1.65mフェンス

[ 2016年3月19日 09:06 ]

低くなったコボスタ宮城の左中間フェンス。前で手を伸ばす楽天関係者は身長1メートル75

 楽天は18日、内外野グラウンドの天然芝への張り替えやスコアボードの全面LED化など約30億円をかけて大改修したコボスタ宮城を報道陣に公開。左中間に新設した公園席「楽天山パーク(仮称)」のフェンス部分が低くなったため、ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手(18=関東第一)ら外野陣にとっては守備の「見せ場」となりそうだ。

 身体能力が高い選手ならフェンス上部で立ち上がることだってできるかもしれない。昨年までは外野フェンスの高さはほぼ一定で約2メートル50センチだったが、今回の改修を経て公園席に面する左中間部分だけが1メートル65センチと極端に低くなった。川田喜則球場長(42)は「外野手のエキサイティングなプレーを見ていただくため」と説明する。

 高さ1メートル65センチは12球団の本拠で最も低く、フェンス際で好プレーが続出する広島のマツダスタジアムでさえ最も低い場所で2メートル50センチ。コボスタ宮城の左中間までの距離は116メートルあるが、フェンスが低くなり本塁打が増えることが予想される。逆に外野手にとってはスーパーキャッチのチャンスが出てくる。

 外野陣は松井稼を筆頭に岡島、聖沢ら守備力の高い選手が多く、オコエも高卒新人野手では球団史上初となる開幕1軍を目指して奮闘中。18歳ながら身体能力は既にチームでもトップクラスで米村外野守備走塁コーチも「フェンスによじ登る練習はしているし、1メートル65なら登れる。スパイダーマンやな」と期待する。客席側には選手の転落を防止するネットも設置されており、思い切ったプレーも可能。近い将来に中堅のレギュラーである可能性が高いオコエも「(大飛球を)捕れたらいいですね。気合で頑張ります」と青写真を描く。

 この日、チームは東京ドームで練習。オープン戦は残り3試合でオコエは「勉強、勉強、勉強です」と表情を引き締める。土と芝のにおいが漂うコボスタ宮城のグラウンドに立つため、最後の最後までアピールする。 (山田 忠範)

 ≪主な本塁打キャッチ≫

 ◆福本豊(阪急) 74年7月22日オールスター第2戦(西宮)の5回、田淵(神)の左中間への大飛球を追い、フェンスを駆け上がり逆シングルで好捕。

 ◆山森雅文(阪急) 81年9月16日ロッテ戦(西宮)の初回、弘田の左翼ラッキーゾーンを越えそうな打球を背走。金網に足をかけてよじ登りフェンス最上部で捕球した。このプレーは米国でも話題となり、のちに野球殿堂入りした。

 ◆赤松真人(広島) 10年8月4日横浜戦(マツダ)の5回、村田の左中間に飛んだ打球に素早く反応。フェンスによじ登り観客席に飛び込む寸前で身を乗り出し捕球。

 ◆天谷宗一郎(広島) 10年8月22日横浜戦(マツダ)の8回、ハーパーの右中間への打球に対しフェンスへかけ上がった。落下点はややずれたものの、最後は体をエビ反りにしてキャッチ。

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