中村GM「最重要課題」ポスト球児探しへ動く…ヤ軍・五十嵐に注目

[ 2012年9月9日 14:51 ]

 阪神・中村勝広取締役ゼネラルマネジャー(GM=63)が8日、海外フリーエージェント(FA)権を今季取得し、かねてから強いメジャー志望を持つ藤川球児投手(32)の慰留が難しい情勢を認め、“ポスト球児”探しを今オフの「最重要課題」と位置づけた。また、将来的には生え抜き育成を模索する新4番打者についても、来季は外国人補強で充てる考えを示唆した。

 午前中に生出演した毎日放送「せやねん!」では藤川の去就問題が取り上げられ、中村GMは「(代役は)なかなかいないですから」と残留を望む思いを吐露していた。番組出演後に2日連続で鳴尾浜球場での2軍戦を視察。報道陣から同じ話題を向けられ、より強い危機感をあらわにした。

 「彼の持っている権利なので…。いままでも担当者と話をしているでしょうから。(残留を望むのは)言うまでもないことです。ただ、準備はしないといけない。情勢が悪いようですから」

 かねてから強いメジャー志望を持つ藤川は今年4月に待望の海外FA権を取得。既に代理人契約を締結している団野村氏(55)に加え、今後はアーン・テレム氏(57)と新たに契約を結ぶ方針が判明するなど、水面下で着々と海を渡る準備が整いつつある。一連の状況を踏まえ、残留交渉の行方を「情勢が悪い」と率直に表現した。

 通算218セーブを誇る絶対的な抑え投手に近年の猛虎がどれほど頼ってきたか。有形無形の存在感を思えば、代役は簡単には見つけられない。「いろんなところから検討しないといけない。最重要課題でしょう」。直面する難題を深刻に受け止めた。

 「どこかの暁には彼とは話をしたいと思っています。それが礼儀。このままサヨナラというわけにはいかない」

 昨年までの契約交渉で慰留に当たってきた高野球団本部長ら従来担当者に配慮する一方、GMとしても話し合いの場を設ける意向を明かした。ただ、現時点で藤川の翻意を引き出せる見通しは立っておらず、同時進行で危機管理を進めていく考えだ。現有戦力からの抜てきか、新戦力の補強か。

 「そこは監督や担当コーチとも相談して決めていく。ただ、7回以降は何枚いてもいい。大事なところなんで。それだけの手当てはしないといけない」

 既に球団では昨冬から関心を寄せていたヤンキース・五十嵐亮太投手(33)の動向に今オフも注目を寄せるなど、水面下では藤川流出に備えて動き出している。誕生したばかりの中村GMも“ポスト球児”探しという難問を直視した。

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2012年9月9日のニュース