日本6位…大谷「自分のレベル分かった」12Kも6四死球

[ 2012年9月9日 06:00 ]

<日本・韓国>3回1死、気迫の投球で空振りを奪う大谷

18U世界野球選手権5位決定戦 日本0―3韓国

(9月8日 木洞)
 日本代表は5位決定戦で韓国と対戦し、0―3で敗れた。花巻東の大谷翔平投手(3年)が8試合ぶりに先発し、7回を2安打2失点。最速155キロの直球を主体に12三振を奪った。しかし、無援に泣いて高校最速160キロ右腕の高校野球生活は幕を閉じた。また、ベストナインにあたる今大会のオールスターチームに藤浪晋太郎投手(3年)、森友哉捕手(2年)の大阪桐蔭バッテリーが選出された。日本代表は9日に帰国する。

 ほろ苦さと大きな期待が入り交じる高校生活最後の登板だった。先発野手8人が8月の韓国プロ野球のドラフト指名を受けた強力打線を相手に、12奪三振の力投。一方で6四死球と荒れた内容も現在の実力だった。

 「国際大会を経験してある程度、自分のレベルが分かった。外国人は当てにこないし、力勝負ができて楽しかった。世界一を目指してきたので達成感はないけど、力は出し切れた」。自身初の国際大会を振り返る表情はすっきりとしていた。

 8月31日の1次ラウンド初戦のカナダ戦で3回1/33失点KOされて以来、今大会2度目のマウンド。「カナダ戦の投球があって(小倉全由)監督も使いづらかったと思う」と自身の不調が優勝を逃した一つの要因であることは自覚していた。ようやく巡ってきたマウンド。汚名返上の機会をもらい、初回から153キロを計測して飛ばした。

 2回1死一塁から151キロ直球を左中間二塁打され、先制点を許した。だが、その直後から5者連続三振。5人目はこの日最速の155キロで見逃し三振を奪った。5回には先頭に死球。そして1死一、三塁から一塁走者に完全にモーションを盗まれ、投球動作を止めたためにボークを取られて2点目を失った。7回をわずか2安打。だが打線の援護がなく、四死球が2失点に絡んで敗れた。

 日米の球団で争奪戦が予想される160キロ右腕について、視察したパドレスのフン・ナムグン・スカウトは「プロで活躍するためにはチェンジアップやシンカーを覚えたほうがいい」とアドバイス。一方、ツインズのマイク・ラドクリフ・スカウトは「メジャーで戦うには長距離移動も伴う。戦い抜く体力を身につけることが必要だけど、そのポテンシャルは持っていると思う」と評価した。

 自身の進路について大谷は「最終的には自分の考えで決めたいけど、(花巻東の佐々木洋)監督や両親と話し合って決めたい」と帰国後に決断する考えを明かした。そして、こう続けた。「また、日本代表のユニホームを着てみたい」。将来的なWBC出場も夢見る160キロ右腕は、ソウルに確かな足跡を残して決断の時を迎える。

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