内海7回1失点!セ一番乗り10勝&防御率トップ

[ 2011年7月20日 06:00 ]

<巨・中>7回2死一、三塁、小山を三振に斬り、ほえる内海

セ・リーグ 巨人2―1中日

(7月19日 ハードオフ新潟)
 巨人の内海哲也投手(29)が19日、中日戦で7回を4安打1失点と好投。6月18日の西武戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりの白星で、セ・リーグ一番乗りの10勝目を挙げた。防御率1・50もトップに浮上した。2桁勝利を前にここ4試合足踏みしていたが、最速147キロをマークするなど気迫あふれる投球で、チームを4位に押し上げた。20日は前半戦最終戦。後半戦の巻き返しには内海の大車輪の活躍が必要となる。
【試合結果】

 気持ちの分だけボールも伸びた。1点差に迫られた7回だ。なおも2死一、三塁で小山を迎えた。フルカウントから「きょうは良かった」という外角143キロ直球で空振り三振。7回4安打1失点。最大のヤマ場を乗り越えベンチに戻る姿は自信に満ちあふれていた。

 「めちゃくちゃうれしい。なんとしても10勝して(前半戦を終え)球宴を迎えたかった」。勝利数と防御率でトップに立った左腕は、2万人を超す新潟のファンの視線を独り占めにした。

 テンポの良い投球だった。打者26人に対し、初球打ちを除く24人中15人から初球ストライクを奪った。阿部に「スピードガンが壊れているのかと思うくらい速かった」と言わしめた最速147キロ直球に、強風の屋外球場で切れ味を増した変化球を織り交ぜ、6回まではわずか1安打。7回も最少失点に抑えた。

 5試合ぶりの白星で手にした2年連続の2桁勝利だが、昨季とは中身が違う。背景にあるのは、昨オフに始めた体幹を強化するPNF(固有受容性神経筋促通法)トレーニングだ。体幹を鍛えて体の土台をつくることで、疲れの出やすい夏場でも投球フォームが崩れなくなった。早期降板や登録抹消もあった昨季の姿はない。だからこそ、勝ち星に見放された過去4試合も「試合はつくれているし、こういう投球を続ければいつか勝ちがつく」と焦りはなかった。

 チームは新潟で4戦4勝。試合のなかった広島を勝率で上回り4位に浮上した。原監督は「ここまで苦しいチーム状況で、常にいい精神状態でマウンドに上がっている。後半戦も柱として頑張ってほしい」と褒めちぎった。20日で前半戦終了。指揮官は「総力戦で戦います」と言葉に力を込めた。内海の好投でつかんだ流れのまま勝利で締め、後半戦につなげる。

 ≪5月以降は抜群の安定感≫内海(巨)がリーグトップで10勝ラインに到達した。昨年は同僚の東野がセ10勝一番乗り。巨人の投手が2年連続でセ10勝一番乗りを記録したのは89、90年の斎藤以来21年ぶりになる。この日は7回1失点で防御率は1・50。館山(ヤ=1・56)を抜いてこちらもリーグトップに立った。白星は6月18日西武戦以来で7月初勝利だったが、月別防御率は4月2・08→5月0・99→6月1・65→7月1・59。5月以降は3カ月連続2点未満と安定している。巨人で最多勝と防御率の両タイトルを手にすると99年上原以来になるが内海はどうか。

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