傷心ハミルトン、転落死ファンに“手向け”の1安打

[ 2011年7月10日 06:00 ]

<アスレチックス・レンジャーズ>初回、安打を放つハミルトン

ア・リーグ レンジャーズ8―5アスレチックス

(7月8日 アーリントン)
 悲劇と正面から向き合った。前日に本拠でファンが転落死する事故が起きたレンジャーズは8日(日本時間9日)、観客席にボールを投げ入れた左翼手ハミルトンがアスレチックス戦に志願出場。初回に先制点につながる中前打を放った。

 「起こったことはスローモーションのように覚えている。ショックだった」。過去に麻薬やアルコール依存症に苦しんだ昨季のア・リーグMVPは、欠場する選択肢も与えられていた。しかし、家族の励ましも受け「プレーすること以上に、できることはない」と試合開始2時間前に出場を決断。5連勝に貢献した。

 球場は左翼席フェンスとスタンドの間にシートが張られ、左翼席には警備員が増員された。試合前には黙とう。両軍選手は喪章を着け、ファンにボールをプレゼントする際には極力近寄って渡す気遣いが見られた。また、球団は遺族を支援する基金を設立した。前日、右中間のブルペンから事故を目撃した建山は「楽しいはずの球場で本当に残念。ハミルトンは本当にショックを受けていた」。選手間でミーティングを開き、さらなる遺族の支援を検討するとともに、球団側に安全対策の強化を訴えていることを明かした。

 ハミルトンはこの日の6回の打席でも、自身の打ったファウルが三塁側席のファンに当たるアクシデントに遭遇。「見ていたよ。また起きてしまった」。それでも、試合に出続けることが使命だと信じて前進する。

 ▼7日の転落事故 2回にハミルトンがファウルボールを左翼観客席に投げ入れたところ、身を乗り出して捕球を試みたシャノン・ストーン氏が誤って約6メートルの高さから落下。病院に緊急搬送されたが、死亡した。6歳の息子クーパー君にグラブを買った後の試合観戦だった。シャノン・ストーン氏の母スーザンさんは「クーパーは野球が好きでハミルトンのファン。ユニホームも持っていたから…」と涙ながらに話した。

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2011年7月10日のニュース