快勝に導いたオリックス・由伸「癒しは秘密のスポット…」 絶対エースの数少ない息抜き法は?

[ 2022年10月13日 05:00 ]

パCSファイナルステージ第1戦   オリックス5ー0ソフトバンク ( 2022年10月12日    京セラD )

<オ・ソ>5回のピンチに甲斐を三振に打ち取り雄叫びを上げる山本(撮影・井垣 忠夫)
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 パ・リーグは連覇したオリックスがポストシーズン18連勝中だった2位のソフトバンクを破り、アドバンテージを含めて2勝先行の優位に立った。山本由伸投手(24)が4戦連発で乗り込んできた柳田を内角攻めで無安打に抑えるなど10奪三振で8回零封。吉田正尚外野手(29)も右越えソロを放ち、投打の大黒柱が快勝に導いた。

 柳田をどう封じるか。山本は今シリーズ最大の焦点で最高の答えを出した。絶対エースとして力でねじ伏せた。

 「調子が悪い時はシュート回転して中に入ったりするのですが、今日は初回から内角に決まっていた。良かったポイントかなと思います」

 2回先頭では内角153キロ直球で空振り三振。4回2死でも内角直球で詰まらせて二直に押し込んだ。7回先頭では内角カーブで一ゴロ。3打席で全11球のうち9球を内角に投げ込む徹底ぶり。過去4戦4発の主砲を抑えてソフトバンク打線を遮断し、ポストシーズン連勝も18で止めた。

 自在に投げ分ける150キロに迫る高速フォークも効果的だった。スライダー回転させて左へ逆にシュート回転させて右に落とした。5回無死一、二塁で三塁封殺を狙ったバント処理を誤って1死二、三塁を招いても動じない。柳町、甲斐をこの宝刀で2者連続空振り三振に斬った。

 5安打無四球の10奪三振で8回零封。昨秋CSファイナルS初戦で見せたポストシーズン史上初「2桁奪三振&無四死球での1―0完封勝利」に続く快投で、西武・涌井(現楽天)と巨人・菅野に並ぶCS最長17イニング連続無失点まで伸ばした。

 体幹を含めたバランスが重要な独特の投球フォーム。体調や精神面など毎日変化する微妙な揺らぎも許さない緻密な調整が土台にある。張り詰めた日々で、数少ない息抜きが趣味の釣りだ。

 「シーズン中に、たまに行く釣りが僕の癒やし。岡山に秘密のスポットがある。めっちゃメバルが釣れる。全部煮付けにして食べます。体にいいのかな、メバルが筋肉になっています、たぶん」

 アドバンテージを含めて2勝とし、日本シリーズ進出まであと2勝。「かなりリードしましたし、思い切って、あと2勝、つかみたい」。レギュラーシーズン最終戦まで激戦を繰り広げた宿敵を退け、最高の形で勢いづけた。(湯澤 涼)

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2022年10月13日のニュース