なぜ西武は早大・蛭間の1位指名を決めたのか 52年ぶりの外野手1位指名となったチーム事情

[ 2022年10月13日 07:30 ]

早大・蛭間
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 西武が大学No・1スラッガーの早大・蛭間拓哉外野手(22)の1位指名を公表した。球団の外野手の1位指名は異例中の異例。西鉄時代の70年に新日鉄広畑・高橋二三男以来2人目で、大学生では初となる。外野手を指名最上位にしたチーム事情に迫りたい。

【(1)外野のレギュラー不在】

 チームは今季、外野の3ポジションいずれも固定できず、3位に終わった。金子は度重なる足の故障で44試合の出場にとどまり、愛斗、川越の成長は著しいがまだスタメンとまではいかない。鈴木、高木、岸、西川らがチャンスをもらいながらも発展途上で、来日1年目のオグレディもシーズン終盤は先発を外れる試合が目立った。今季はシーズン途中にも外野の補強に乗り出している。メジャーから日本球界復帰を決断した秋山だ。古巣復帰オファーを出して獲得を目指したが、秋山は広島入りを決断した。

【(2)1番打者不在】

 秋山が20年に米球界に移籍して以降は特に課題だったのが1番打者だ。今季は後半戦の序盤に外崎が機能して一時首位を走ったが、最後まで固定することはできなかった。蛭間はリーグ戦で現役最多12本塁打を誇る左の長距離砲だが、走攻守で高い能力を持ったオールラウンダーだ。大学日本代表で4番を務めた経験もあるが、山川や中村ら長距離砲のそろう西武では、上位打線を任される可能性もあるだろう。

 渡辺GMは公表の理由を「それだけ熱望、獲得したい選手、という表れ。蛭間君を本当に欲しいという気持ちを伝えたかった」と語った。一本釣りなるか、他球団と競合するか。20日のドラフト会議に注目が集まる。(記者コラム・神田 佑)

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2022年10月13日のニュース