中畑清氏 初回、併殺打で流れをたぐり寄せたヤクルト 1粒で2度おいしいゲッツー

[ 2022年10月13日 05:20 ]

セCSファイナルステージ第1戦   ヤクルト7-1阪神 ( 2022年10月12日    神宮 )

<ヤ・神>初回、近本は併殺打に倒れる(投手・小川)(撮影・椎名 航)
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 【中畑清 視点】短期決戦は流れをいかにたぐり寄せるか。勢いを呼び込むのは攻撃だけじゃない。ヤクルトが流れを呼び込んだのは初回の守りだ。1死一塁。ファーストSで11打数5安打と打ちまくった近本を二ゴロ併殺打に仕留めた。

 この場面、左打者は引っ張って一、二塁間を破り、一、三塁の形をつくろうとする。ヤクルトバッテリーが初球に選択したのは外角高めの真っすぐ。近本は引っ張り切れず、打球は二塁手の正面へ。併殺を取りにくい俊足の左打者からアウト2つを奪ったんだ。

 思えば、ファーストSの第3戦。阪神は3回、2点目を失った後の1死一、三塁でDeNAの牧を二ゴロ併殺打に仕留めたんだよね。これで3点目を防いで流れを変え、逆転勝ちに結びつけたんだ。

 その勢いと流れを止めた近本の併殺打。その裏、レギュラーシーズンで苦しめられた西勇を攻め、2死から2四球を選び、オスナの3ランで先制。3回の守りでは、これまた1死一塁からファーストSで12打数6安打の中野を三ゴロ併殺打に仕留めた。

 1粒で2度おいしいゲッツー。ファーストS突破の立役者となった阪神打線のキーマン2人を併殺で封じた。アドバンテージを持ったヤクルトの白星発進はとてつもなく大きい。

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2022年10月13日のニュース