阪神に希望の光!4番・大山が今秋CS12打席目で初ヒット 2勝の先行許すも、ここから4つ勝つだけや

[ 2022年10月13日 05:15 ]

セCSファイナルステージ第1戦   阪神1-7ヤクルト ( 2022年10月12日    神宮 )

<ヤ・神>2回、大山は二塁打を放つ(撮影・椎名 航)
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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S=6試合制)は12日に両リーグで開幕し、セ・リーグはレギュラーシーズン3位の阪神が優勝したヤクルトに完敗し、アドバンテージを含めて2勝の先行を許した。ヤクルトを上回る9安打で1得点。ファーストSで無安打だった大山悠輔内野手(27)に初安打が出たことが第2戦以降への光明だった。

 横浜で昇華した猛虎の勢いが神宮でしぼんだ。1―7の完敗。投打で力を見せつけられる黒星にも“次”につながる希望もあった。DeNAとのファーストSで計9打数無安打と沈黙していた大山が響かせた快音だ。

 2回先頭で1ストライクから小川の高めのスライダーを捉えて左翼線への二塁打。矢野監督も「(大山らに)ヒットが出たとかは結果やから、それは出た方がいいに決まっている」と今秋のCS12打席目でともした初めてのHランプにうなずいた。

 3点を先制された直後に得た無死二塁の反撃機。何とか得点に結びつけたかった。続く原口は追い込まれてもファウルで懸命に粘った。フルカウントから13球目の低めフォークにもバットを止めて見極めたかに見えたが、一塁塁審はスイングの判定。温厚な原口が珍しく言葉を吐き出して怒りをあらわにするほどで、ベンチから見た矢野監督も首をかしげた。

 「あれは振ってないでしょう。ちょっと大事なところやからね。審判だって一生懸命やっているし、判定に文句言えない。俺も抗議にいけないっていうのは分かっているんだけど、あそこはちゃんと見てもらいたい」

 後続も倒れて、小川をリズムに乗せてしまった。「もちろん、そこ(初回、2回)で取りたかった。向こうの投げやすい環境、状態にしてしまったかな…というのはある」。初回1死一塁ではファーストSの3試合で計5安打の活躍だった近本が二ゴロ併殺。ヤクルトの7安打を上回る9安打など毎回のように走者を出しても1点止まりで、終盤もヤクルトの継投策の前に本塁が遠かった。

 ヤクルトに優勝のアドバンテージがある中、絶対に落とせない初戦に敗れて2勝の先行を許した。過去のデータに照らせば突破率3・8%の苦境。ただ、レギュラーシーズンで23本塁打、87打点のチーム2冠だった4番が復調すれば劣勢をはね返す可能性は十分にある。「俺らは4つ勝つ必要があって、それをやるだけなので何も変わらない」。史上最大の下克上へタクトを振る指揮官に落胆の様子はなかった。(遠藤 礼)

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2022年10月13日のニュース