レッドソックス・沢村、初回に緊急登板で見事 回またぎで1イニング無失点

[ 2022年7月19日 02:30 ]

ア・リーグ   レッドソックス2-13ヤンキース ( 2022年7月17日 )

<レッドソックス・ヤンキース>初回に緊急登板して好救援を見せた沢村(AP)
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 レッドソックスの沢村拓一投手(34)が、緊急登板でも結果を出した。17日(日本時間18日)、敵地ニューヨークでのヤンキース戦に先発した左腕セールが初回に3点を許し、しかもヒックスのピッチャー返しの打球を左手に当てて小指を骨折。降板を余儀なくされる非常事態に沢村が急きょ、ブルペンで投球練習することもないまま「今まで1回もない」という初回リリーフのマウンドに立った。

 2死一塁の場面では、カイナーファレファを投ゴロに打ち取って後続を絶つ。回またぎでの登板になった2回は安打と四球で1死一、二塁のピンチを招いたものの、前半戦33本塁打のア・リーグMVP候補ジャッジに9球粘られながら最後は詰まり気味の三直に仕留めた。ここで降板し、3番手の左腕ヘルナンデスが後続を抑え1イニングを無失点で終わった。

 この日の最速は96マイル(約154キロ)止まりで「肩が温まる前に投げ終わってしまった感じ」というが、それでも、チームが2―13と2日連続の大敗を喫した中で仕事を果たし、「粘られても打ち取ることができている。今日の自分の調子ではベストを尽くせたと思います」と胸を張った。

 前半戦では34試合に登板し、防御率2・55と安定。5月30日以降の16試合では防御率1点台(1・77)で投げ続けている。制球が安定した右腕を、アレックス・コーラ監督は「ストライクゾーンをアタックしている」と絶賛する。ただ、沢村本人は成績の評価には興味を示していない。「故障せずに、ずっと投げ続けられるように準備ができていることは自分を評価できる」。体調維持と準備の大切さだけを強調した。

 レッドソックスは48勝45敗で強豪ぞろいのア・リーグ東地区の4位にとどまり、プレーオフ進出は微妙な情勢。後半戦でも、「自分でコントロールできないことは気にしないで、自分がやるべきことをやっていれば」と落ち着いた表情で語る沢村の働きも重要になってくるはずだ。大事な時期の逆襲に向け、オールスター期間中はトレーニングを続けつつ、ゴルフでリラックスするつもりだという。「リフレッシュした状態でまた試合に入っていけるように、有意義な時間を過ごしたい」とつかの間の休みに思いをはせていた。(杉浦大介通信員)

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2022年7月19日のニュース