“開成のマー君”福家が100点快投! 05年以来16強へ4回零封で2戦連続コールド導いた

[ 2022年7月19日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権東東京大会3回戦   開成12―0都葛飾総合・都南葛飾 ( 2022年7月18日    都営駒沢 )

<開成vs都葛飾総合・都南葛飾>4回無失点と好投した開成・福家
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 リリースの瞬間も表情を変えない。開成のエース右腕・福家将寛(ふけ・まさひろ=3年)は冷静だ。4回2死三塁。10点差ある。頭脳を回転させ、状況を分析。「四球や暴投にならないよう、強い球をゾーン内に投げる」と自らに課した。最後の打者は空振り三振。4回2安打無失点で先発の役目を終えた。

 13日の連合チームとの初戦では3回1/3を3失点、8四死球と乱れたが自身のフォームを再度研究。腕が横に流れ、大振りになっていることに気がついた。この日は腕の位置を高くし、振りをコンパクトにしてわずか1四球。「結局、一試合一試合ちゃんとやるしかないので。切り替えて準備しようとチームで話した」とうなずいた。

 名前の読みが同じ楽天・田中将大に憧れる。「(ピンチでも)表情に出ないというか、大事なところで崩れない」とマウンドでの立ち居振る舞いも参考にしている。この日のポーカーフェースには「緊張しているだけ」と謙虚に笑うが、2戦連続のコールド勝ちで10年ぶりの4回戦進出だ。

 誰もが認める超有名な進学校。他の部活動との兼ね合いで全体練習は週1回で、2~3時間程度しかできない。だからこそ自主練習が重要な時間。福家は学校の敷地内で坂道ダッシュを繰り返し、野球の技術書を読んでフォームを固め、今では最速139キロを誇る。

 20日に都文京に勝てばチームの夏の最高成績である5回戦に進む。「気負って四球連発が一番もったいない。ストライクゾーンに投げ込む」と福家。どんな状況でも冷静な右腕にとっては、決して“難問”ではない。(田中 健人)

 ◇福家 将寛(ふけ・まさひろ)2004年(平16)6月19日生まれ、東京都出身の18歳。三田小3年時に高輪クラブで野球を始め、小5から投手を務める。開成中では軟式野球部に所属。開成では1年夏からベンチ入り。1メートル76、81キロ。右投げ右打ち。

 ◇開成 中高一貫の私立校。毎年100人以上の東大合格者を輩出する屈指の進学校で麻布、武蔵と並んで「御三家」と呼ばれる。主なOBは岸田文雄首相や直木賞作家の逢坂剛氏、演出家の蜷川幸雄氏ら。野球部の夏の最高成績は05年の16強。

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2022年7月19日のニュース