花巻東のチームカラーに変化 大道星也ら投手陣が急成長 左右の変則も備えてバリエーションも豊富

[ 2022年7月19日 20:21 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会・3回戦   花巻東8―0一関二 ( 2022年7月19日    岩手県営 )

<岩手大会 花巻東・一関二>花巻東・大道は5回を無安打投球(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 今春の選抜に出場した花巻東は一関二に8―0で7回コールド勝ちし、準々決勝進出を決めた。高校通算73本塁打の佐々木麟太郎(2年)を軸にした打線は2戦、14イニングで15得点と自慢の強打を発揮。だが、それ以上に投手陣の急成長が印象的だ。その象徴的存在が背番号10の最速141キロ右腕・大道(だいどう)星也(3年)だ。

 3回戦の一関二戦に先発した大道は5回を2四死球のみで無安打無失点。常時セットポジションで、投手板の三塁側から投じる130キロ後半の直球、カーブ、スライダーなどをコーナーに集める丁寧な投球を披露した。

 今春の選抜大会はベンチ外で、1回戦の市和歌山戦ではボールボーイを担当。バッティング投手としてチームに帯同し「たくさん投げていると(打者が)苦手なところを見つけるのが早くなった」と打者との駆け引きを磨いた。

 選抜大会後はウエイトトレーニングを徹底したことで、最速は141キロまで上昇。春の県大会では背番号1を任された男は「一戦必勝で次の試合も必ず勝てるように頑張っていきます」と頼もしかった。

 大道だけではない。3番手で7回から登板した右腕・北條慎治(2年)も1回を1安打無失点。140キロ台を連発するパワーピッチを見せた。初戦の花巻農戦に先発した背番号7の右腕・吉田幸永(こうえい=3年)は6回を2安打無失点。自己最速を1キロ更新する142キロを計測した直球と落差の大きなフォークが光った。

 速球派だけではない。変則左腕で経験豊富な萬谷大輝(3年)、制球力を武器にするサイド右腕・工藤翔大(3年)、二塁手との二刀流右腕でゲームメークに優れる熊谷陸(2年)らバリエーションも豊富だ。

 「投手王国」ともいえる急成長を果たした投手陣。佐々木洋監督は「選抜でベンチに入っていない吉田幸永と大道が140キロを超えるボールを投げている。どっちかというと、(これまでは)軟投派の投手で抑えてきたが、夏に向けて速球派の投手を、と思っていた時に出てきた。頼もしく思っています」と手応えを語った。持ち味の強打戦と急成長の投手陣。東北勢初の日本一へ、視界良好だ。(柳内 遼平)

続きを表示

2022年7月19日のニュース