都市対抗 2年前に急死したNTT西日本・中井さんの両親が変則始球式「息子にとって東京ドームは聖地」

[ 2022年7月19日 11:32 ]

都市対抗野球第2日   NTT西日本―JR東日本東北 ( 2022年7月19日    東京ドーム )

<JR東日本東北・NTT西日本>始球式を行うNTT西日本の元遊撃手で、2年前に亡くなった中井諒さんの母・啓子さん(右)。遊撃の位置には父・康浩さん(中央)、左は諒さんの親友でJR東日本東北・鈴木(撮影・木村 揚輔)
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 2020年4月13日に骨肉腫で急死したNTT西日本・中井諒さん(享年23)の母・啓子さん(54)が息子と同じ背番号「6」のユニホームを来て、始球式を行った。父・康浩さん(54)は「小1から諒が死守してきたショートからの景色をみたい」と遊撃のポジションへ。打席には桐蔭横浜大時代から親友だったJR東日本東北・鈴木聖歩外野手(25)が立ち、啓子さんが投じたボールを康浩さんの元へ打ち返した。

 「この機会をつくっていただいた会社や関係者に感謝を込めて投げました」と啓子さん。2年前の同大会で諒さんが守ったグラウンドに手を触れ、ゴロをつかんだ康浩さんは「息子にとって東京ドームは聖地。においを感じられました」と感無量の面持ちだった。

 変則始球式はNTT西日本からの“提案”だった。「諒が亡くなって月日はたったけど、もしやれるなら鈴木君が相手となる、きょうしかないと思った」と康浩さん。鈴木は中井さんの法要にも参列。大阪府岸和田市の中井家を訪れ、仏壇にも手を合わせてくれたという。

 ソフトボール経験のある啓子さんは大役に備え、NTT西日本のグラウンドに出向き、練習を重ねた。迎えた7月19日午前10時。無事に始球式を終えた両親は三塁ベンチのNTTナインと、スタンドからの大きな拍手に手を上げながら、涙をこらえていた。

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